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自然と共に在る日本料理の心

季節と旬の食材について

ご主人:うちで採れるといいますと・・・春はノカンゾウ(野萱草)が2月の末頃に出てきますね。これは天ぷら、味噌和え、おひたしにいいですね。それから、セリ、ミツバも出ます。春から5月の初めになるとウドが、それからフキですね。

先生:鮎のシーズンに来ると・・・フキとセットで、また絵図らが良いのよ。

ご主人:ここの、小田川の鮎がいいんですね。鮎はご存知のように川のコケをいただきますから、そのコケ次第で鮎の味が違いますね。それぞれの川によって味が違います。他にはアマゴもおりまして、ほとんど養殖して放流しとるんですけど。これはもう・・・ご存知だと思うんですが、ほんとに水が綺麗でないとダメですね。鮎はほどほどのところで獲れるんですが、ただやはりその辺りにいる鮎ですと・・・腹のにおいがもう・・・違いますね。

先生:そう考えると大昔の人は凄く美味しいものを食べていたのかも知れないですね。

ご主人:そう思います。やっぱり日本料理をやっていて思います。季節、素材を食べる・・・これが日本料理の基本だと思います。日本は季節があるから、魚にしましても野菜にしましてもくだもんにしましても季節ごとにいろいろな食材が味わえてほんとうに楽しいですね。

先生:季節感がなくなって、いつでも何でも食べられるというのはちょっと寂しいですね。

ご主人:はい、野菜にしましても、はしり、旬、なごりと3回・・・それぞれに味わいがありますから。魚にしましても、夏に美味しいのは冬も美味しいですね。鱧(ハモ)の場合でも、今の方が美味しいですね。梅雨から夏にかけて京都では祇園祭、鱧祭いうくらいですけれど、もちろんその時の鱧もいいですけれど、それからちょっとしますと子を持ちますから少し痩せて、それからちょっと休んで今頃からまた美味しくなります。いわゆる、脂が乗ってきます。鱧でも鯛でも生けすで1日か2日入れておくと、餌を食べんので身が締まってくるんです。・・・これが最高ですね。

ご主人が思うお料理とは

ご主人:わたしの言葉ではないんですが、日本料理の辻嘉一(つじかいち)さんがおっしゃっていた「食べやすく、気持ち良く、美味しく。」という言葉が好きなんです。単純ですけれど・・・食べやすく気持ち良く・・・もうこれだと思います。そういうふうに食べますと消化がいいですし、体にプラスになると思いますね。ですから、自分もこういう気持ちで、毎日清潔に掃除もしております。

先生:ご主人がそちらから見て、ニコニコ楽しく食べていただいている姿が一番・・・佳いですよね。

ご主人:はい、そうですね。それがやっぱり嬉しいですね。お客さんが一番の勉強ですね。すべてが教わりです。

今日は、カウンターのなかを舞台に、最高の役者と舞を特等席で拝見した思いです。おごそかで凛とした舞に、ついつい見惚れてしまいました。

先生:だから、カウンターのまわりだけは、なんの飾り気もいらないんだ。僕はそう思う。

ご主人:はい。最高の・・・舞台です。

■店舗情報:あたご|愛媛県松山市歩行町2-3-27|電話089-931-4575 ※ご来店の際は、事前にご予約ください。

*次回の「賢人の食と心」も是非ご期待ください。

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