トップ > 賢人の食と心 > 祝御遷宮 伊勢神宮一覧 > 【特別企画】 祝御遷宮 伊勢神宮(外宮編)

神宮では明治28年から参拝者数の統計を取り始めたのですが、平成22年に過去最高を記録し、1年間で外宮・内宮を合わせて880万人の方にお参りいただきました。前回の遷宮の年である平成5年、前々回の昭和48年は、いずれもその年の参拝者が約860万人を記録しており、今年の遷宮年にも多くの方がお越しくださるのではないかと思っております。

今はこうして多くの方が参宮できる時代となりましたが、昔は伊勢にお参りに来ることは大変なことでありました。江戸時代、神宮では上層階級の神職(しんしょく)※2 が宮川を渡って神領の外へ出ることを許されていなかった為、権禰宜(ごんねぎ)以下の神主が全国に赴き、神宮の神徳を宣揚し、武士や豪農の奉納寄進を取次いだり、参宮を進めたりしておりました。この神主を「御師(おんし)」と呼びました。その結果、民衆にも伊勢参りへの憧れが高まり、各地で「講(こう)」※3 と言うものが結成されます。御師や伊勢の人々は、地方から伊勢参りに来た人々を大変もてなしたこともあって、参宮から帰った人の話が地域に広がり、やがて爆発的な「おかげ参り」という大ブームを生みました。特に60年周期でブームが起こったことから、これを「おかげ年」と呼び、その年には数百万人の方がお参りされたと言われています。当時は女性や子どもが旅をすることなど考えられない時代だったのですが、抜け参りといって奉公の人などがこっそり抜けてお参りに行ったり、お伊勢さんに行くと言えば道中で施しを受け、関所も通ることができたそうです。お伊勢参りには柄杓(ひしゃく)を持って行くことが目印となっており、昔の錦絵などにもその様子が描かれています。

※2 神職…神に奉仕するため、祭儀を行なう者。現在神宮では、大宮司(だいぐうじ)、少宮司(しょうぐうじ)、禰宜(ねぎ)10名、権禰宜(ごんねぎ)20名、宮掌(くじょう)40名という職階を置き、他に技師、事務職員など合計600名を超える人々が日々の奉仕を行なっています。

※3 講…地域で参宮の費用を積み立て、選ばれた人が代参として参拝すること。伊勢講と呼ばれていました。

江戸時代、神宮へのお参りは皇室の御祖神であり、日本国民の総氏神であるお宮としての憧れと、一方では日本で一番の観光地的な側面もあったと思います。現代においても、多くの方々がそういった両面を持って参拝されておられるのではないでしょうか。神宮に来られて、鬱蒼とした森に足を踏み入れた時、普段の生活の中にはない何かを感じていただけるのではないかと思います。

別宮とは、正宮に次いで特別なお宮のことをいいます。外宮には4つの別宮があり、宮域内に3つ、宮域外には「月夜見宮(つきよみのみや)」があります。

多賀宮(たかのみや)
多賀宮は外宮の第一別宮であり、恒例のお祭りは正宮のあとに引き続いて行なわれ、天皇陛下が遣わされる勅使の方もこちらでご奉仕されます。また、大宮司・少宮司が奉仕するのも御正宮と第一別宮となります。 このお宮がなぜ「たかのみや」という名前かと申しますと、理由は高いところにあるお宮だからなのです。昔は高いという字を使っておりました。御社殿は98段の石段を登ったところにございます。豊受大御神様の荒御魂(あらみたま)をお祀りしておるのですが、これは活発で行動的な神格を表しております。

土宮(つちのみや)
土宮は、「大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)」という、土地の神様をお祀りしているお宮です。近くを流れる宮川の氾濫を防ぐ守護神としてここに御鎮座されています。こちらの御社殿の前を広くとってありますのは、外宮周辺の高倉山が昔は「御杣山(みそまやま)」に指定されておりましたので、この度の式年遷宮でもお祭りが行なわれ、その祭場となっております。

風宮(かぜのみや)
風宮は、「級長津彦命(しなつひこのみこと)」様と「級長戸辺命(しなとべのみこと)」様をお祀りしています。お米をはじめとする農作物が無事に育つように、天候の順調を司る神様です。また、鎌倉時代に元の大軍が攻めてきた時(蒙古襲来)、二度にわたって神風を吹かせ、国難を救ったのがこの神様と伝えられており、その功績を称えて別宮へと昇格されました。ですから、国難にあたってということで、先の東日本大震災の時にもこちらと、内宮の「風日祈宮(かざひのみのみや)」にお参りする方が多くみられました。日本を救ってほしいという願いを込めて参拝されたのだと思います。

土宮・風宮にお参りいただきますと、現在建っている御社殿の隣に用意された、同じような大きさの敷地がご覧いただけます。この敷地は、遷宮で新しい御社殿を建てるための新御敷地(しんみしきち)で、小さなお社のような覆屋(おおいや)が中央付近に置かれており、その上に新しい御社殿が建ちます。このように、20年に一度の建て替えを行なっていることが、間近でご覧いただけます。

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