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口に含むとやさしい甘さがほっと心を落ち着かせてくれるコンペイトウ。カラフルな粒はキラリと輝き、子どものころは眺めているだけでワクワクしたものです。コンペイトウのおいしさと不思議な形に込められた秘密を解き明かすため、「コンペイトウミュージアムやお」を訪れました。

しっかりと角ができて白く輝いて見える、味も色も付けていない素のコンペイトウを味見。砂糖のピュアな甘さが伝わります。

信長も虜にした魅惑のお菓子

コンペイトウはポルトガル生まれのお菓子。今から460年ほど前、鉄砲とともに海を渡って日本へと伝わりました。そのきっかけとなった人物が、ポルトガル人宣教師のフロイスです。1563年に大阪へとやってきたフロイスは、通訳やキリスト教を広める活動をしていました。あるとき、織田信長との謁見が許され、手土産にガラスの器に入れた小さな砂糖菓子を持って行きます。やさしく口の中で溶けていく甘いお菓子をすっかり気に入った信長。フロイスにお菓子の名前を尋ねると「コンフェイト(ポルトガル語で砂糖菓子の意味)」と答えたそうです。このコンフェイトがなまって、いつしかコンペイトウと呼ばれるようになりました。コンペイトウが庶民の間で人気となるのは明治の中頃。工場での大量生産が可能となり、多くの人に愛されるお菓子となったのです。

芯になるグラニュー糖はもともと長方形のような四角い粒。昔は芯にケシやゴマを使い、中華鍋で1ヵ月半から2ヵ月もかけて作っていたそう。地道な作業の積み重ねが、あのかわいい形を生むのです。

1粒の理想の角の数は24個。

コンペイトウといえば、角のある形が特徴的です。どの粒にも均一に施された角は、型に入れて作るものではなく、職人の技によって"生える"もの。コンペイトウ作りには熟練された人の手が欠かせないのです。また、コンペイトウは1日に1mmほどしか大きくなりません。直径1.5cmまで仕上げるのにかかる日数は、なんと10日から2週間。製造工程を覗いてみると、かなり手間暇のかかるお菓子であることがわかります。 コンペイトウの芯になるのは、グラニュー糖のほんの小さな1粒。直径180cmの大きな釜に大量のグラニュー糖を入れ、傾斜をつけてゆっくり回転させながらガスバーナーで熱し、繰り返し糖度75度(グラニュー糖3:水1)の蜜を振りかけていきます。2~3日かけて丸い粒へと成長させると、角出しと呼ばれる工程へ。釜の傾斜を少し緩やかにし、さらに蜜をかけます。すると蜜のついた部分が突起に変化。粒同士がぶつかり合って余分な角がなくなり、最終的には自然と24個ほどに整っていくというから不思議です。角ができると次は色付けと味付け。コンペイトウの色には意味があり、ピンクは春の桜、黄緑は夏の青葉、黄色は秋の紅葉、白は冬の雪と、四季の移ろいを表現しています。味はピーチ、レモン、ソーダといったベーシックなものからワインやコーヒーなどアレンジのきいたものまでさまざま。色と味の組み合わせ次第でバリエーションはぐんと広がります。最後に透明の蜜をうっすらとかけ色移りを防ぎ、冷めたら3色、4色もしくは3種、4種を混ぜ合わせて完成です。

体験の最後にはコンペイトウ王国の王様が登場。愉快なキャラクターが笑いを誘います。

みんなの記憶に残るお菓子。

お菓子の種類が多様化し、コンペイトウの魅力が薄れつつある今。生産効率の悪さから製造元は減少し、全国に10軒も満たないほどとなりました。また、室温50度にも達する過酷な環境での作業は体力的にきつく、なかなか職人が育たないという悩みも抱えています。それでも、もっと子どもたちに愛されるお菓子になるようがんばっていきたいと話すのは同社長の野村しおりさん。「大人になったときに、コンペイトウが懐かしい味、思い出の味となるように記憶を心に刻んでもらいたい」と、手塩にかけた一粒に寄せる愛情を語ってくれました。

コンペイトウミュージアムのおすすめ

松茸こんぺい・塩こんぺい・和三盆こんぺい

味のバリエーションが豊富。松茸の風味をつけたコンペイトウは料理にも使えます。エリンギの包み焼きに数粒加えると松茸に大変身!?

世界一と日本一小っちゃなこんぺいとう

日本一は2.5mm、世界一はなんと直径1mm。ポルトガルの国旗をイメージした色付けです。アイスクリームのトッピングにもおすすめ。

60分キャンディー

個人差は多少あるものの、舐め続けると60分で食べきることができるというユニークな商品。さらに長時間に挑戦したい人は90分キャンディーを。

ジェムシュガー

コンペイトウを加えたかわいいシュガー。紅茶やコーヒーに添えると、いつものティータイムが華やかになること間違いなし。

DATA:

コンペイトウミュージアムやお(大阪糖果株式会社 八尾工場)

大阪府八尾市若林町2-88

TEL 072-948-1339

営業時間 9:00~17:00

工場見学は10名から平日のみ(要予約)

ミュージアムは他に、堺市と福岡にも。
詳細は公式サイトにてご確認ください。

URL http://www.konpeitou.jp

(2015年11月 現在)

 

コンペイトウミュージアム からのメッセージ

見て・聞いて・作れる体験型空間をコンセプトに、コンペイトウの製造工程や歴史が学べます。平日は工場見学も可能。実際に職人が働いている工場の温度を体感して頂くことができ、手作り体験では人生初の温かいコンペイトウのご試食も。コンペイトウ王国の王さまや姫、ゆるキャラペートンなど、愉快な仲間たちが待っています。ワクワクドキドキが止まりませんよ!

【取材レポート】
コンペイトウミュージアムでは、コンペイトウをより身近に感じてもらえるようにと手作り体験を実施しています。今回は団体さんにくっついて記者もその様子を見せてもらいました。体験では、工場のものよりコンパクトなサイズの釜にコンペイトウを入れ、味と色を付けていく作業を行います。どんな色と味にするのか、参加者たちで相談してから作業を開始。少しずつ丁寧に色素をかけていくと真っ白なコンペイトウがほんのり色づき始め、味を加えると甘い香りが鼻をくすぐります。出来立てをさっそくパクリ。温かいコンペイトウはやわらかく、ほろっと口の中で溶けてすぐになくなってしまいました。体験後はコンペイトウ王国の王様が登場。クイズやマジック、ギターの弾き語りで「コンペイトウの歌」も披露され、楽しく学ぶことができました。

 

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