縁起物としてのタイ

お祝いの席にふさわしい魚と言えば「タイ」。それも尾頭付きの鯛は「めでたい」にあやかって、古くから日本人に親しまれてきました。縁起のいい赤い色に真っ白な身は、上品で豪華な存在。江戸時代には、大名たちが幕府へ献上する食べ物の中に、タイが含まれていたそうです。また明治時代に統一された全国の神社祭式において、タイを神饌とすることが明記され、それから庶民の間にも祝い魚として徐々に広まっていったといわれています。タイにまつわる風習のひとつに、近畿地方、特に京都には「にらみ鯛」があります。正月に用意した尾頭付きの焼き鯛を、三が日の間は食卓には上げるものの「にらむ」、つまり見るだけで箸をつけずおき、4日になってから食べはじめるもので、これは「厄災を睨み付け、寄せ付けない」という意味があるのだとか。披露宴などで出される「祝い鯛」も、その場では食べずに、引き出物として持ち帰る習わしがあります。他にも、全国各地に様々な風習がありそうですね。

タイが出てくることわざ

タイは、昔から縁起の良い魚や高級魚の代表格として扱われるからか、多くのことわざがあります。
「海老で鯛を釣る」(小さな労力で大きな利益を得ること)、「腐っても鯛」(本当に優れているものは、悪い状態になってもその価値を失わない)、「鯛の尾より鰯の頭」(大きな組織の中で一番下にいるよりも、小さな中で先頭に立つ方が良い)、「鯛も一人じゃ旨からず」(鯛のように美味しい魚であっても一人で食べては美味しくないこと)、「恵比寿様が鯛を釣ったよう」(鯛を抱えた恵比寿様のお顔から、恵比寿顔のようにニコニコとしている様子)、「鯛知らず」(魚の王様といわれる鯛のことも知らない無知な人のこと)、「献上ものの鯛」(優れた容姿であること)など、ことわざからもタイが重宝されていたことがうかがえますね。

春らしいタイの洋風レシピ

春野菜と鯛のサフランスープ煮|作り方

  1. サフランは50ccのぬるま湯に3~4時間浸しておく。
  2. タイは身から骨を外す。骨と水(300cc)と一緒に鍋に入れ火にかけ、沸騰しはじめたら白ワインを加えてアルコール分を飛ばし、火を止める。粗熱をとってからザルでこし、スープを作る。
  3. 新タマネギとトマトは食べやすい一口大に切る。菜の花は長さを3等分に切り、硬い根元と上側に分けておく。
  4. スナップエンドウはスジを取り、下ゆでしておく
  5. ニンニクは2等分に切って、芯を取り除いておく。バターは電子レンジに数秒かけるなどして、溶かしておく。
  6. タイの身は食べやすい大きさに切り、塩(小さじ1/4)をふり下味を付けてから、薄力粉をまぶす。
  7. フライパンに、(2)のスープを200ccと(1)のサフランを汁ごと入れ、ニンニクを加えて火にかける。小さく沸騰してきたら、新タマネギ、トマト、菜の花の根元部を加えて蓋をする。
  8. 再び沸騰してきたら、塩(小さじ1/4)と残りの菜の花、(6)のタイを加えて蓋をし、蒸し煮にする。
  9. 全体に火が通ったら、ニンニクを取り除き溶かしバターを加え、味を見て塩(適量)、コショウで味を調える。深さのある皿に4等分に盛り分け、仕上げに2つに割ったスナップエンドウを飾る。
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