トップ > 食育特集 > File.48(3)

特集メインタイトル

近年増加している理由とは

食物アレルギーに限らず、近年アレルギー疾患の人が増えてきているのはなぜなのでしょうか。これにはさまざまな要因が複雑に絡み合っており、現段階で特定するには至っていませんが、考えられるいくつかを末廣先生は次のように話します。

「大きな理由の一つとして挙げられるのは腸内細菌の変化でしょう。さまざまなウイルスと戦うために人間の腸内では多彩な細菌が活動し、全身の免疫を司っています。昔は数千とも言われた腸内細菌の種類も、世の中が清潔になり、ウイルスや細菌は抗生物質で撃退できるようになった今では激減。免疫機能がうまく働かなくなり、本来攻撃する必要がないものまで攻撃してしまってアレルギーを引き起こしているのだという説があります」。
また、エピジェネティクス(後天的遺伝子抑制変化)との関係性にも焦点が当てられるようになってきました。エピジェネティクスとは、生まれ持った遺伝子配列そのものに変化が起こるのではなく、環境など何かしらの理由で遺伝子の発現パターンが変化することです。母体がエピジェネティクスによりアレルギーを発症した場合、子どももアレルギー体質になる確率が高いといわれています。

さらに最近は、ファストフードやお菓子、ジュースに含まれる糖分や脂質の取りすぎによる腸内環境の破壊が免疫力の低下につながり、アレルギーを誘発しているとの見方もあります。

発症したらアレルゲンの特定を

「食物アレルギーかも」と疑いを抱いたら、中学生以下の子どもは小児科、高校生以上は内科を受診しましょう。いずれもアレルギー専門医がいる病院で相談するのがベストです。日本アレルギー学会のホームページ(http://www.jsaweb.jp)では、専門医がいる近隣の施設を簡単に検索することができるので、いざというときは利用するのも一案です。

食物アレルギーの疑いがある場合、まずはアレルゲンとなる食品が何かを特定することが重要です。そのために医療機関では丁寧な問診を行い、血液検査や皮膚テストを実施します。食べたものやアレルギーを発症した際の症状の程度を一定期間記録しておくと問診時に役立つでしょう。そのうえで、疑いのある食品を食べないで様子を見る除去試験を行い、アレルゲンを特定していきます。問診や検査だけではアレルゲンがはっきりしなかったときは、専門の医療機関で食物経口負荷試験を行います。これは、アレルゲンと考えられる食品を実際に食べてみて、アレルギー症状の有無や程度を調べるための検査です。

食育大事典facebookページ
ページのTOPへ