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必要最低限の除去で対応

食物アレルギーであることが確定すれば、症状が出たときに使用する治療薬を処方してもらい緊急時の対処法を教わります。また同時に治療を開始します。残念ながら今のところ食物アレルギーを根治に導く薬はなく、アレルゲンを除去した食事療法が基本的な治療になります。しかし末廣先生は「除去するだけでは余計に食べられなくなり、栄養の偏りも懸念されるため、成長期の子どもにはもっと本質に迫った根本的な治療を行うべき」と指摘します。

先にも述べたように、乳幼児期で発症した場合は成長するにつれ症状が緩和されていくケースが大半です。近年はアレルゲンをすべて除去してしまうのではなく、食物経口負荷試験で安全に食べられる範囲を探り、早期から少しずつ摂取することで体を慣らしていく治療が積極的に実践されるようになりました。ただし食べられる範囲を自己判断するのは危険です。必ず医師の指示のもとで治療を行いましょう。

緊急時に注意すべきこと

食物アレルギーはいつ何時症状が出るか予測ができません。一度でもアナフィラキシーを起こした人は常に病院から処方された治療薬やアドレナリン自己注射用ペン型注射器(エピペン®)を携帯し、万が一に備えてください。また発症した際慌てないために、救急時の対応としてやってはいけないことも押さえておきましょう。

【NG行為1】症状が出ているのに、走ったり階段を駆け上がったりすること。血の巡りを良くする行為は症状の悪化を招きます。
【NG行為2】症状が出ている時に、急に立ち上がること。血圧低下につながり身体に危険が及ぶため、搬送時もストレッチャーに頼りましょう。

周囲の協力と自覚が不可欠

食物アレルギーの子どもを持つ親は、日常の食生活に気を配り、特に食中・食後は小さな体の異変も見逃さないようにすることが大事です。また給食でのトラブルを避けるために原因食は必ず学校側に知らせて対応をお願いしましょう。アレルギーのことは家族全員が正しく認識しておくことが大前提ですが、末廣先生は何より本人が病気について必要最低限の知識を持っておくことが重要だと強調します。

「食物アレルギーは幼いころに発症するケースが多いので、身体管理がどうしても親任せになってしまう子が多いようです。けれども、せめて小学生になったら薬の名前を覚え、自分で服薬できるようになっていてほしいものですね」。

食物アレルギーに関する情報は随時更新されます。アレルギーの克服に向けて活動している公益財団法人日本アレルギー協会(http://www.jaanet.org)では、各地域で市民向けのアレルギー講座を開催したり、ホームページで一般の人に広く情報を提供したりしていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

参考資料:「よくわかる食物アレルギー」公益財団法人日本アレルギー協会
「ぜんそく予防のために食物アレルギーを正しく知ろう」独立行政法人環境再生保全機構

(2018年4月 取材・文 岸本 恭児)

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