まねき食品株式会社
日本で初めて幕の内駅弁が販売されたのは、今から120年以上も前のこと。その生みの親であるまねき食品で、当時の駅弁にまつわるエピソードや姫路名物となった「えきそば」についてうかがいました。
販売を始めたころの駅弁は立ち売り。お客さんが売り子を呼び止め、窓越しに弁当とお茶を渡していました。
見た目にも豪華な元祖幕の内駅弁の復刻品。経木のお重は香りが良く、程よくごはんの水分を吸っておいしさも倍増。(注文は予約受付のみ)
だしの香りが食欲をそそるえきそば。1杯360円という気軽さもファンを増やしている理由の一つ。
まねき食品のおすすめ
幕の内味づくし
元祖幕の内駅弁の進化系。兵庫県産の食材を使ったおかずがぎっしり詰まった人気の駅弁です。
世界文化遺産 姫路城弁当 穴子重
姫路城の平成大修理が完成した記念に、今年より発売。味付けごはんのベースには、えきそばの出汁が使われています。
【取材レポート】
今使われているえきそばの鉢はプラスチック製ですが、昔は陶器でした。かつては鉢込みの値段でえきそばが販売されていたため、持ち帰りは自由。ホームで買ってそのまま電車に乗り、車内で食べる人もいて、足元には食べ終わったえきそばの鉢が転がっていたそうです(今は持ち込みができません)。その陶器の鉢。実は、まねき食品の社員さんがたびたび夜行列車で島根県出雲市まで調達に行っていたのだとか。担げるだけ担いで持って帰ってはストックしていたという苦労話も。えきそばはこんな努力があって、今に受け継がれた味なのです。