薬膳とは

中国の伝統医学の考えを基に食材を選び、調理される「食事」の事です。
体質や体調に合わせて、お悩みや季節に合わせた食材を取り入れることで、体の不調を整える効果があります。初めての方でも摂り入れやすい薬膳について、季節ごとに食材レシピ付きでご紹介。健康や美容のために薬膳を、ぜひ始めてみませんか。

四季折々の薬膳

春は「肝」の養生で、冬の間に溜まった毒素を排出しましょう。

春は気温も上がり、体が冬の寒さから解放されて、筋肉も緩みます。木々が芽吹き、上に上に枝を伸ばし、花が咲いていくように、体の中の陽気も頭の方に上りやすくなっていきます。春は「肝」の働きが活発になりますが、負担が大きくなりすぎると、目が充血したり、イライラしやすくなることもあります。また、春は風が強い季節です。風の影響を受けて、特に上半身に体調の変化があらわれやすくなります。こうした自然界から受ける病因を外邪といい、春の外邪を風邪(ふうじゃ)とよびます。一般的な風邪(かぜ)とは異なり、花粉アレルギーのような、のどの痛み、くしゃみ、鼻水、発熱、頭痛、かゆみ、湿疹などの症状が上半身を中心にあらわれます。春は「肝」の養生をして、冬の間に溜まった毒素を排出し、体の中の気が滞らないように巡りをよくする食材を摂ることをおすすめします。

春におすすめの薬膳食材

養肝(肝を元気に)
牛・鶏・豚レバー、イチゴ、カシス、あんきも、うなぎ、ししゃも、すずき、ローヤルゼリー、干椎茸など

理気(気の巡りに)
シソ、玉ねぎ、ジャスミン、柑橘類、そば、バラ花、マツタケ、ミョウガ、バジル、三つ葉、スパイス類など

苦味(体の解毒に)
山菜類、菜の花、パセリ、セロリ、ゴボウ、タケノコ、ピーマン、ゴーヤ、ミョウガ、緑茶、銀杏、レタスなど

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梅雨の時期は、脾を養い、余分な水分は排出しましょう。

湿気が多く、体の中にも水分がたまりやすい時期です。梅雨の外邪は湿邪です。体に水分が多くなると、脾がダメージをうけ、胃腸の不調や体の巡りが悪くなり、食欲不振、胃もたれ、むくみ、下痢、体の重だるさなどを感じやすくなります。特に甘いもの、脂っぽいものを摂りすぎると、体の中の水分と混ざり合って、むくみになることがあります。甘いものや脂の多いもの、水分が多く、体を冷やしやすい生野菜や刺身等は、この時期には避けましょう。日照が少ないと、体が冷えたりもしますので、体温調整にも注意が必要です。脾は消化や気の流れを司りますので、脾を養い、余分な水分は排出できるようにしていきましょう。

梅雨におすすめの薬膳食材

健脾(脾を元気に)
穀類、芋類、豆類、カボチャ、オクラ、人参、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、栗、マッシュルーム、米麴、たい、ひらめ、ブリ、アボカド、りんごなど

利尿(水分の排出に)
ハト麦、冬瓜、空心菜、小豆、黒豆、緑豆、あさり、昆布、トウモロコシ、スイカ、メロン、ブドウ、マンゴー、緑茶、ローズヒップ、コーヒー、海苔など

辛味(体を温め、水分排出)
ねぎ、ニラ、しょうが、大根、ワサビ、ニンニク、サンショウ、唐辛子、シソ、コショウなど

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夏は心と脾を養い、収斂効果のある酸味のある食材を摂りましょう。

気温が一年の中で最も高く、陽射しも最も強くなるため、体の中も外と同じように陽気が高まり、熱や汗をかきやすくなります。夏は「心」の働きが活発になりますが、負担が大きすぎると、イライラしたり、顔が赤くなったり、不眠や情緒不安定、動悸、夏バテ、熱中症になることもあります。夏の外邪は暑邪といいます。汗と一緒に気も体の外に出ていきますので、汗で体の水分(潤い)が足りなくなるだけではなく、気や血も足りなくなり、血の巡りも悪くなります。また、暑さのために、冷たいものを摂り過ぎると、脾が弱り、胃腸の働きの低下に繋がることもありますので、夏は心と脾を養い、収斂効果のある酸味のある食材を摂り、汗をかき過ぎないように毛穴を引き締め、体の中のバランスを保つようにしていきます。

夏におすすめの薬膳食材

養心安神(心のケアに)
小麦、百合根、ハスの実、なつめ、ホタテ、牡蠣、いわし、ココナッツ、カカオ、ひじき、ジャスミン茶、ワインなど

清熱解暑(熱の発散に)
きゅうり、なす、セロリ、モロヘイヤ、ズッキーニ、緑茶、緑豆、バナナ、スイカ、梨、ハト麦、ひじき、カニ、キウイ、トマトなど

生津止渇(体液補充、のどの渇きに)
豆腐、トマト、白きくらげ、スイカ、レモン、りんご、牛乳、チーズ、ヨーグルト、白砂糖、水あめ、紅茶、レンコンなど

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秋は体を潤す陰の食材や、肺を養う食材を摂っていきましょう。

夏から冬へと変化する秋は、時期により気温も大きく変わります。秋は「肺」の機能が活発になります。空気の乾燥は「肺」を傷め、空咳が出るなどの呼吸器トラブルを起こします。秋の外邪は燥邪です。肺のダメージはお肌の乾燥や便秘にもつながりやすいため、体を潤す陰の食材や、肺を養う食材を摂っていきましょう。夏から秋に入っていく時期は、まだ暑く、体に熱がこもりやすいですが、冬が近づく頃には体が冷えてきます。秋の始めは体にこもった熱を排出し、冬が近づいたら体を温める食材を選ぶようにして、体の中の温度が丁度良く保てるようにしていきます。秋のはじめは、夏の暑さで体が疲労していますので、体も十分に労わるようにします。

秋におすすめの薬膳食材

潤燥(体を潤すために)
豚肉、白ごま、黒ゴマ、白きくらげ、ハチミツ、花梨、バター、オリーブオイル、菜種油、卵など

補気(夏の疲れをとるために)
穀類、鶏肉、豆類、芋類、カボチャ、シイタケ、干椎茸、鮭、サクランボ、牛肉、カカオ、甘酒、味噌、ココナッツなど

補肺(肺のケアのために)
山芋、ゆり根、アーモンド、柿、梨、松の実、銀杏、リンゴ、クワイ、黒きくらげ、白きくらげ、落花生、春菊など

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冬は体を温め、腎の養生ができる食材を摂るようにしていきましょう。

冬は、一年の中で最も陰が強く、あらゆるものが冬眠状態に入る時期です。私たちも自然界の一部なので、冬は休養の時期、春に備えてエネルギーを蓄える時期と考えます。寒さで毛穴がしっかり閉じ、体の熱を逃がさないようにしたり、新陳代謝も低下します。巡りも悪くなるため、冷えや風邪、手足のしびれや足のむくみなども起りやすくなります。冬は寒さのせいで、私たちの生命力、エネルギーの源となる「腎」が傷みやすくなります。冬の外邪は寒邪です。寒邪が体に入ると、腎にダメージを与え、泌尿器系、生殖器系、内分泌系に影響があらわれますので、体を温め、腎の養生ができる食材を摂るようにしていきましょう。秋に引き続き、乾燥の季節ですので、体に潤いを与えられる食材も選びます。

冬におすすめの薬膳食材

補腎(腎のケアのために)
栗、松の実、くるみ、黒ゴマ、黒豆、黒きくらげ、たい、黒砂糖、黒米、枝豆、カリフラワー、キャベツ、ゴボウ、ブルーベリーなど

補気(夏の疲れをとるために)
黒ゴマ、百合根、卵、豚肉、松の実、白きくらげ、クコの実、チーズ、ヨーグルト、黒米、黒豆、山芋、カシス、氷砂糖など

補陽(手足・下半身の冷えの改善のために)
エビ、ニラ、クローブ、シナモン、マグロ、赤貝、八角、ウイスキーなど

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