鈴木商店
おしゃれなスイーツがあふれる神戸の街に、昭和22年から愛されているアイスキャンデーがあります。さっぱりとしたミルクの口どけが懐かしい地元っ子のおやつ。変わらない人気の理由とおいしさの秘密を聞きました。
斜めに刺さった棒が特長的な鈴木商店のアイスキャンデー。「棒がまっすぐじゃない理由は私たちもわからへんけど、単に作業上の都合とちがうかなあ」(笑)
殺菌機が置かれた作業場と仕込みに必要な道具がコンパクトにまとまっています。画像下はアイスキャンデーを流し込む型。一度にできる数は190本が限界。機械化せず手作業で行っています。
アイスキャンデーの包み紙をはがしやすくするため、食べる前にほんの少し手で温めるのがコツ。まとめ買いのアイスキャンデーは新聞紙で包装。ささっと包んでビニール袋に入れお客さんの元へ。
鈴木商店のおすすめ
アイスキャンデー
ノスタルジックなパッケージが新鮮。小ぶりなので一度に何本も食べるという常連さんも多いとか。
ソフトクリーム
アイスキャンデーと人気を二分するソフトクリーム。取材に訪れた日も飛ぶように売れていました。
もなか
ソフトクリームを持ち帰りしやすいようにと考えられたもなか。中身はソフトクリームを冷やし固めたもの。
DATA:
鈴木商店
兵庫県神戸市東灘区田中町3-1-1
TEL 078-431-5744
営業時間 10:00~16:00
定休日 火曜・水曜日
【取材レポート】
現在店を守る親戚のみなさんは、鈴木商店が食堂のころからずっと手伝いをしていたそう。「小さい時から商売を見てきたから、私らが継ぐのが当たり前やと思っていたし、特に抵抗はなかったんですよ」。道具も昔のまま。これで水を測っていると見せてくれたのは、かなり年季の入った炊飯器の内がま。「先代が使っていたもので私らの代になっても変えることはありません。今ある道具がなくなったら仕込むのに困るかもしれませんね」(笑)。やさしい甘さの奥には、ほっこりさせられるエピソードがいくつもありました。