NICKJERKY（ニックジャーキー）

2018年10月、精肉店が発信するジャーキーブランドが神戸で誕生しました。オリジナルの製法を極め、肉のパワフルさを押し出した逸品は、世界にも通用する味わい。これまでのジャーキーとは異なり、五感に強烈なインパクトを残します。

和の印象を強く押し出したという店内。インテリアにはナチュラルな木を使い、シックにまとまっています（画像上）。店内ではクラフトビールと一緒に味わうのが醍醐味。散策や買い物の合間に一息つくのもおすすめです（画像下）。

観光地に出現した意外な専門店

「NICKJERKY」は精肉店が始めたジャーキー専門店。神戸・北野にある店舗は、ラスコーの洞窟壁画をモチーフにした牛のシンボルマークが掲げられ、ファッションブランドのようなスタイリッシュさ。行き交う人が「何の店？」と次々に足を止めます。
ショップに隣り合うファクトリーは、清潔感が漂うガラス張りのオープンスペース。安心・安全に作られていることをアピールすると同時に、お客さんがライブ感を味わえるよう工夫されています。ショップでは全国から選りすぐったジャーキーに合うクラフトビールもスタンバイ。カフェ感覚で量り売りのジャーキーとビールをイートインできる斬新なスタイルも話題を集める理由の一つです。

ファクトリーでは作業の真っ最中。職人の手により丁寧に作られている様子を見ることができます（画像上）。塩は海の成分を凝縮させた淡路産のものを使用。まろやかな塩味は肉との相性がよく、うまみを引き出してくれます（画像下）。

肉本来の味を引き出す独自製法

オーナーの錦昭光さんがこの店をオープンさせるきっかけとなったのが、兵庫県美方郡香美町の契約農家で飼育されている肉牛・但馬玄（たじまぐろ）との出会い。
「世の中にはまだまだおいしい肉が眠っているということを教えてくれたのが但馬玄。強いうま味に惚れ込みました。肉の魅力をもっと引き出すためにはどうすればいいのかを考え、干すとうまみ成分が増すしいたけにヒントを得て、たどり着いたのがジャーキーでした」。
きちんと肉の味がするジャーキーを追求したいと思った錦さんでしたが、なかなか思うようにはいかず、胸を張れる味にたどり着くまで約２年の歳月を要しました。試行錯誤を重ねて誕生したジャーキーは、現在「但馬玄」「神戸ビーフ」「神戸ポーク」「鹿肉」の４種類。原材料は精肉店の鋭い目利きで仕入れた肉と淡路産の天然塩のみです。余分なものを一切添加せずシンプルに仕上げることで、肉のポテンシャルを最大限に引き出しています。

専用セラーで熟成中のブロック肉。じっくりと時間をかけて味が育っていきます（画像上）。パッケージを終えた後も熟成が進むというジャーキー。酸化を防ぐ包装でうまみを閉じ込めます（画像下）。

臭みはゼロ。濃厚なうまみが後を引く

製造は熟練の職人が担当。肉の筋繊維に沿ってジャーキに適した部分だけを切り出し、塩を擦り込んで熟成させます。数週間寝かせるのは、遠赤外線とマイナスイオンを放射する専用のセラー。アミノ酸やうまみ成分などが増し、加熱乾燥させると肉本来の味わいがぎゅっと凝縮されます。手間暇を惜しまず作ったジャーキーは、食べやすく歯ごたえを損なわない絶妙な厚さにカット。噛みしめるとそれぞれに肉の濃厚さが引き立ち、じわじわと舌の上で脂の甘みが広がります。一味や山椒を振って食べるのもおすすめだそう。
「私たちが目指しているのはジャーキーの最高傑作。いずれは神戸を代表するお土産として認められ、多くの人に愛される味に育ってくれることを願っています」。