野菜とごはん fika

「こんなに野菜って味が濃かったっけ?」。ひと口運ぶたびに新鮮な驚きを与えてくれるのが「野菜とごはん fika」のランチ。食材から調味料まで店主が選りすぐった逸品を使い、食べる人の体を思いながら作る味が、今日もファンを広げています。

木を基調にしたナチュラルな店内。食後は好きなドリンクを手におしゃべりも弾みそうです(画像上)。お皿の上で生き生きと輝く野菜。「届いた野菜たちを触っているだけでうれしくなります」と笑顔の吉岡さん(画像下)。

ランチの主役はみずみずしい野菜

閑静なエリアに小さく看板を掲げる「野菜とごはん fika」。扉をそっと開けると、カウンターとテーブル席が3つの温かみのある空間が広がります。野菜コーディネーターでもある店主の吉岡真祐子さんが腕を振るうのは、みずみずしい野菜の持ち味を存分に生かしたナチュラルなランチ。体に優しい食材を一つ一つ選りすぐり、調味料はすべて昔ながらの製法で作られたものを使用。自然農法を育てた無農薬野菜や有機野菜などを主役にした料理の数々は、ヘルシーなだけでなく盛り付けの美しさにも心を奪われます。

「店でお出しする料理は、体に良いから食べるというのではなく、おいしいから食べたいとお客様に心から思ってもらうことが大前提」と話す吉岡さん。味付けや食べ応えも意識し、男性でもしっかりと満足感が得られるものを心がけています。

お客さんに好評の酵素玄米。デトックス効果が期待でき、ふっくらもっちりとした食感がクセになるおいしさです(画像上)。吉岡さんが厳選したナチュラルフードの販売も少しずつ拡大中。お気に入りの食材を買いに来る人も増えたそう(画像下)。

お客様には手をかけた最高のものを

噂を聞きつけて訪れる人たちの多くは「酵素玄米菜食ランチ」がお目当て。栄養バランスに富み、食べると元気になれるメニューです。愛媛県産の自然農法で育てた玄米には、北海道産の無農薬小豆を加え塩を少々。こだわりの水を使い、うま味が引き立つ独自の製法で炊いた酵素玄米は粒が立ち、ふっくらもっちり。パワー満点の1杯は赤飯に近い味と食感が人気です。プレートの上には日替わりのメインを中心に、旬が香り立つ野菜のおかずが3品と自家製ドレッシングのサラダがたっぷり。味噌汁には鹿児島産の合わせ味噌を使い、じんわりと滋味深い風味が口内に広がります。

「お客様が食べておいしいと感じてくださったものは家庭でも取り入れてもらえるよう、調味料や食材の一部を店内で販売しています。水曜日にはプチマルシェも開催し、ご希望ならレシピをお伝えすることもありますよ」。中でも吉岡さんの手作りするもろみ味噌と醤油麹は好評で、まとめ買いする人もいるそうです。

副菜は大豆ミートのミンチと白菜、さやえんどうの煮物。ほっと和む小鉢です(画像上)。梅酢と醤油麹を使ったブロッコリーとニンジンのマリネ。塩麹や醤油麹は自家製のものを使用しています(画像下)。

いつかヘルシーなアテ飯の店が夢

吉岡さんは元パティシエ見習い。職業柄1日何個もケーキを試食したり、冷蔵庫の中で無理をしながら作業を続けたことから体が悲鳴を上げ、食生活を見直しました。マクロビオティックや薬膳など食に関するさまざまな知識を学び、自分の体に合うものを探す日々。その一方でスイーツ作りへの情熱は変わらず、主婦仲間に手製のパウンドケーキを振る舞ったところ評判に。周囲の応援に背中を押され、良い物件にも出合えたことから、店をオープンすることとなりました。

「私はお酒とアテ飯が好き。アテ飯というとがっつりとした料理が多く、どうしても胃にもたれがち。健やかな野菜料理をメインにした、美味しいこだわりのお酒が飲めるお店を子育てが終わったころにイベント的に始められたらいいなと思っています」。吉岡さん作のアテ飯なら罪悪感も少なく、お酒もグイグイ進みそうです。

野菜とごはん fikaのおすすめ

酵素玄米菜食ランチ

この日はカリッと揚がった大豆ミートのカツがメイン。肉に似た食感で添えられた自家製甘酒マヨはまろやか。揚げ物ですがさっぱりとした味わいです。脇を彩る野菜一つ一つの味が濃く、印象に残ります。

DATA:

野菜とごはん fika

兵庫県尼崎市富松町1-29-20

TEL 06-7494-1733

営業時間 月・火・水 11:30~14:00(LO)
     売り切れ次第終了

http://www.organic-fika.com/

野菜とごはん fika からのメッセージ

毎週土曜日は芦屋のオーガニック野菜と無添加食材の店「CA」で酵素玄米のわっぱ弁当やスイーツを販売しています。米粉マフィンや米粉クッキー、ヴィーガンティラミスなど、fikaのフルラインナップが登場するので、そちらにもぜひお越しください。

【取材レポート】

お正月にはおせち料理のオーダーも受け付けている同店。「エビや肉が入っていないので豪華さには欠けるかもしれませんが、そのぶん一つずつ手をかけて作っています」と吉岡さん。丹波産の無農薬豆で作る黒豆煮、煮しめ、なます、梅酢レンコンなど、彩りは華やか。お重を開けたときの喜びが高まります。アットホームさが人気のお菓子・料理教室も気になりました。