金柑
主に甘露煮やジャムで使われる金柑は、中国が原産のミカン科の果物です。名前の由来は、果実が熟す際の色が黄金色になるところからきています。他の柑橘類と違うところは皮ごと食べられるところで、豊富なビタミンCを余すことなくいただくことができます。種類については、甘みが強く大きめサイズの寧波金柑(ネイハキンカン)、楕円形が特徴で、甘露煮向きの長実金柑(ナガミキンカン)、果実が10mmほどの小型で観賞用の豆金柑(マメキンカン)などがあります。
皮が柔らかいものはジューシーでそのまま食べて美味しいのですが、硬いと感じるものは加熱し甘露煮にするとまるごと食べられます。ツヤツヤでふっくらした美味しい甘露煮ですが、おせち料理としても定番の料理で、「金冠」という当て字で生活の豊かさや金運を願ったり、彩を華やかにさせることから使われています。
みかんや金柑の表面に、黒い粒がついているものを見たことはありませんか?これは自然界に存在する菌によるものですが、人体の影響はなく、むしろ過剰な農薬が投与されていない証拠としても見れます。柑橘類では珍しい、皮ごと美味しく食べられる「金柑」を、この機会にぜひ味わってみてください。
金柑の栄養成分
・ビタミンC
コラーゲンを作り肌の細胞を活性化させたり、免疫力をアップさせる効果があります。半分ほどがコラーゲンでできている骨にとっても大切な栄養素です。
・ビタミンP(ヘスペリジン)
ポリフェノールの一種で皮に多く含まれます。ビタミンCと協力して、毛細血管の強化や血流改善の手助けをし、免疫力アップにつなげる効果があると言われています。
・シネフリン
喉に作用し気管支の筋肉をゆるめることで、咳止め効果が期待できます。また、脂肪分解酵素に働きかけ、脂肪の代謝を促進する効果もあります。
金柑の選び方・保存方法
ヘタの部分が変色や乾燥していると時間が経っている証拠になります。粒が大きく表面がよれていない、赤オレンジ色の濃いものを選びましょう。保存期間は、常温で1〜2週間程度です。乾燥すると味が落ちてしまうため、新聞紙やキッチンペーパーで包み、風通しの良い場所で保存しましょう。冷凍すると細胞組織が壊れて甘味が増しますが、解凍後に崩れてしまうので甘露煮かジャムにして使いましょう。
茄子とキンカンのお浸し
材料|4人分(塩分量0.2g)
- 長ナス・・・・2本
- キンカン・・・・5個
- 三つ葉・・・・30g
- だし汁・・・・50cc
- 砂糖・・・・小さじ1
- 干しエビ・・・・大さじ1
茄子とキンカンのお浸し|作り方
- 長ナスは1cmの厚さの輪切りにし、水を張ったボールにつけてあく抜きをする。
- 三つ葉は2cmの長さに切る。キンカンは5mmの厚さに輪切りにし、種とヘタを取り除いておく。
- 鍋に、だし汁、砂糖、干しエビを入れて火にかけ、水気をよくきった長ナスを加え、アルミ箔で落としぶたを作って覆い、弱火でナスが柔らかくなるまで煮る。
- (3)が柔らかくなったところに三つ葉を加えてさっと火を通し、煮汁を残してボウルに移す。
- 煮汁の中に、(2)のキンカンを加えてひと煮立ちして火を止め、(4)のボウルに 加えてあら熱をとり、冷蔵庫で冷やす。
- よく冷えたら4等分にして、器に盛り付けてできあがり。