ソラマメ

ソラマメは栄養豊富なマメ科の植物で、日本では奈良時代から食されていた説があります。漢字での表記は数種類あり、それぞれ「空豆(未成熟の莢が空に向かって育つことから)」、「蚕豆(蚕の育成を始める時期が旬と同じで、形も似ていることから)」という由来があります。その他に別名として「於多福豆(おたふくまめ:形がおたふくに似ていることから)」があります。

品種について、現在スーパーなどで並んでいるほとんどが「一寸ソラマメ」と呼ばれるもので、名前の通り、豆一粒の大きさが一寸(約3cm)ほどあります。そのほかに、やわらかくて甘みのある「仁徳一寸(ニントクイッスン)」や、大粒でボリュームのある「三連(サンレン)」があります。

ソラマメの特徴的な黒い線、「お歯黒」と言われる部分は、成長時、さやから栄養をもらうためのへその緒のような管が繋がっていた場所で、珠柄(しゅへい)といいます。ソラマメは茹でても美味しいですが、さやごと焼くと中の豆の甘味が増し、ホクホクで絶品です。さらに、さやの内側のワタもスプーンですくって食べることができ、とろとろでほんのり甘く、面白い食感です。
旬が短く鮮度も一瞬。5月から旬のソラマメをぜひこの機会に味わってみてください。

ソラマメの栄養成分

・植物性たんぱく質
エネルギー産生栄養素のひとつ「たんぱく質」。ソラマメには植物性たんぱく質が豊富に含まれており、低脂肪・低カロリーの理想的なたんぱく源です。

・カリウム
血圧調整による高血圧の予防や、筋肉機能の調節による疲労軽減に役立ちます。体内の過剰な塩分を排出し、水分量のバランスをとり、むくみの改善にもつながります。

・ビタミンB1・B2
運動による疲労や、近頃食欲不振が気になる方にはビタミンB1が、生活習慣病の予防やストレスによる肌荒れ、口内炎などにはビタミンB2が効果的です。

ソラマメの選び方・保存方法

さやの色が若々しい緑色で、凹凸がしっかりあり、ツヤがあるものが新鮮でしっとりした食感が味わえます。筋が茶色のものは豆がしっかり育った証拠で、デンプンが豊富なためホクホクした食感が強くなります。ただし、全体的に茶色く変色したものは鮮度が落ちてしまっています。
保存方法について、ソラマメはすぐに鮮度が落ちてしまうので、手に入れたらすぐに料理に使う必要があります。もしその日に使えない場合、保存袋で莢のまま冷凍保存しましょう。豆の状態で保存したい場合は、薄皮に切れ目を少し入れて冷凍してください。

ソラマメと春キャベツの温泉たまごソース

材料|4人分(塩分量1.1g)

  • ソラマメ(サヤ入り)・・・・8本
  • 春キャベツ・・・・200g
  • 卵・・・・2個
  • アンチョビー(フィレ)・・・・2枚
  • おろしニンニク・・・・少々
  • 白ワイン・・・・大さじ1
  • オリーブ油・・・・大さじ1
  • 塩・・・・一つまみ
  • コショウ・・・・少々

ソラマメと春キャベツの温泉たまごソース|作り方

  1. 温泉卵を作る。常温に戻した卵をボウルに入れ、熱湯をたっぷり注ぐ。落とし蓋をしてから熱が逃げないようにラップをかけて、そのまま30分おく。
  2. ソラマメはサヤからマメを取り出しておく。春キャベツは食べやすい大きさのざく切りにする。アンチョビーはみじん切りにする。
  3. フライパンを強めの弱火にかけて、ソラマメを薄皮ごと少し焦げ目が付くまで油を使わずに両面焼く。粗熱が取れてから、薄皮をむく。
  4. 温めたフライパンにオリーブ油をひき、春キャベツとおろしニンニクを加えて炒め、塩を加えてさっと合わせ、アンチョビーと白ワインを混ぜる。
  5. ボウルに温泉卵を割り入れ、(3)と(4)を加えて、さっと混ぜ合わせる。
  6. 4等分して皿に盛り分け、仕上げにコショウを振りかける。