新生姜(根生姜)
古くから世界各地で防腐剤や調味料、香辛料、さらには生薬として親しまれている「生姜」。原産地は、南アジアで、日本へは中国から伝わりました。当初は食されず、食用としては中世以降(平安時代頃)と言われています。そして日本の最古のスパイスとして古くから日本人に親しまれ続けています。
生姜は、茎が土の中で大きくなる地下茎で、ショウガ科の多年生草に分類されます。通年スーパーで見かける一般的な「生姜(根生姜)」は、収穫されてから土をつけたまま数ヶ月貯蔵し、随時出荷されているものです。一方、新生姜は、7〜8月頃に収穫され、収穫後に貯蔵しない色白で赤い茎の部分があるものを言います。辛みが控えめで、繊維が柔らかく、そして水分が多くみずみずしいのが特徴です。
生姜の栄養成分
・ジンゲロール
辛み成分の一つ。強い殺菌作用を持ちガン予防に大きな期待がされています。血行促進作用、食欲増進作用などの効果もあるといわれます。また加熱することでジンゲロンやショウガオールに変化します。
・ジンゲロン
香り成分の一つ。食品用香料の原料としても使われています。発汗作用が強く、熱を下げる効果があります。さらには脂肪分解を促進する作用も期待されています。
・ショウガオール
血流を促進し、体を温める効果があるとされています。また痛みの原因「プロスタグタンジン」の生成を抑制し、痛みを和らげる効果が期待されています。
・シネオール
香り成分の一つ。食欲増進を促し、疲労回復や夏バテ解消に効果的です。また健胃・解毒・消炎作用があるといわれます。
新生姜の選び方・保存方法
・選び方
一般的な生姜(老成生姜)は、張りと艶があり、ふっくらとしたものを選びましょう。一方、新生姜は白っぽく艶々したもの、そして茎の付け根が綺麗な赤色のものを選びましょう。赤と白とのコントラストがはっきりしたものが良いでしょう。また皮に傷やしわがなく、全体的にみずみずしいものが新鮮とされる証です。
・保存方法
一般的な生姜は、ラップをして野菜室に入れての保存で大丈夫ですが、使いきれない場合は、保存容器などに水と生姜を入れて冷蔵庫で約3週間保存することができます。(水は毎日交換する方が良い。)乾燥が進み風味が損なわれないようにしましょう。
冷凍保存も可能です。皮をしっかり洗い下処理をしたものをラップに包みジップができる保存袋に入れて冷凍しておくと、すぐに料理に使えて便利です。保存の目安は約3〜4週間になります。
薬味だけでなく甘酢漬けなどでもおいしい新生姜は、そのままだと日持ちがしないので早めに調理をしていただきましょう。
生姜風味の濃厚トマトスパゲティー
(濃厚なトマトソースと、隠し味のカレー粉が生姜の風味を引き立てます。)
材料|4人分(塩分量0g)
- スパゲティー(乾燥)・・・・ 300g
- 卵・・・・ 4個
- ホールトマト・・・・ 400g
- ショウガ・・・・ 1かけ(8g)、薄切り3枚
- ニンニク・・・・ 1かけ
- バジル・・・・ 8枚
- カレー粉・・・・ 小さじ1/2
- 塩・・・・ 小さじ1/4、適宜
- 砂糖・・・・ 小さじ1
- オリーブ油・・・・ 大さじ2
生姜風味の濃厚トマトスパゲティー|作り方
- ホールトマトはザルに通して濾し、種などを取り除く。
- ショウガ(1かけ)は千切りにし、ニンニクはたたいてつぶしておく。
- フライパンにオリーブ油と(2)を加え、弱火にかける。油が温まったら、水気をしっかりとふき取ったバジルを加え、炒めながら油に香りを移す。鮮やかな緑色に炒めたら、バジルの半量を飾り用に取り出しておく。
- フライパンに(1)を加えて中火にする。焦げ付かないように木ベラでたまに混ぜながら、煮詰めて水分を飛ばす。
- 適度に水分がとび、とろみが出てきたら砂糖、塩(小さじ1/4)、カレー粉を順に加えて混ぜ、味を整える。
- 卵を4個割り入れて、蓋をし、蒸し焼きにして、好みの硬さで火を止める。
- スパゲティーはお鍋にたっぷりのお湯を沸かし、塩(適宜)、ショウガの薄切りを加えて袋の表示時間どおりゆで、スパゲティーにもショウガの香りをうつす。
- お皿に等分してスパゲティーを盛り付け、目玉焼きを中央に乗せ、トマトソースを等分してかける。
- 飾り用のバジルを添える。食べる時に全体を良く混ぜて絡め合わせる。