マダコ(真蛸)

複数の吸盤がついた8本の触腕を持つ軟体動物の「タコ」。日本で食用として扱われているタコは「ミズダコ」や「マダコ」「イイダコ」「ヤナギダコ」「テナガダコ」の5種類です。種類により旬の時期や産地が異なります。その中でも日本の食卓にならぶ機会が多いのは「マダコ」で、大型のミズダコよりも小型ですが、身の締まりが良く旨味が凝縮していて人気です。

タコの漁獲地域は、太平洋から地中海などの世界中に広がります。国内漁獲量は種類を問わなければ北海道がトップですが、「マダコ」に限ると、明石だこで有名な兵庫県を始めとする瀬戸内海沿岸各地、青森県から宮城県にまたがる三陸海岸から四国〜九州にかけての太平洋海岸、北陸から九州西岸の日本海沿岸が産地となります。

旬の時期は産地により異なりますが、瀬戸内海周辺は6〜9月頃。三陸海岸周辺は11〜1月頃に漁獲されます。またオスよりもメスの方が大きくなり全長60cm程度にまで成長します。

マダコの栄養成分


・タンパク質
体構成成分・体調整機能成分。毎日のエネルギー源として大切な栄養素です。代謝機能を調整し、自己免疫を高める効果があります。また髪や腎臓や筋肉、抗体など体の機能を調整する、日々接種が必要な三大栄養素の一つです。

・タウリン
タンパク質が分解される過程でできる身体を正常な状態に保つために欠かせないアミノ酸に似た物質です。生命維持に必要な成分とも言われています。消化管内でコレステロールの吸収を抑える働きがあり、心臓や肝臓の機能を高め、視力の回復や高血圧の予防などに効果的です。水に溶けやすい性質を持つので、スープなどの煮込み料理で効率よく栄養を摂取するのが良いでしょう。

・亜鉛
身体に必要なミネラルのひとつ。体内で作ることができない「必須微量ミネラル」のため、食品から摂る必要があります。免疫細胞の働きを活性化させ、ホルモンの合成や分泌の調整、免疫反応の調節に作用するだけでなく、味覚に関わる細胞にも重要な働きを持つ栄養素です。

マダコの選び方・保存方法


・選び方
オスは身が引き締まり歯応えが良く、メスは身がふっくらとして柔らかくなります。生の場合、赤茶色の濃いものが新鮮で、新鮮なものだと軽く押すとその部分の色が変化しますが、鮮度が落ちるにつれて全体的に白くなっていきます。また吸盤も新鮮な程、吸着力が強くなります。

・保存方法
大切なのは鮮度です。すぐに冷蔵庫のパーシャル室やチルド室で鮮度を保ちましょう。冷凍保存も可能です。茹でたタコの場合は、水気を十分に拭き取り、食べやすい大きさにカットしてから部位ごとにラップで包みましょう。ジップがついた保存袋に入れて空気を抜き冷凍庫へ。頂く際は、加熱をしましょう。生のタコは、そのままジップのついた保存袋に入れて空気を抜き冷凍庫へ。解凍時に水で流すだけでぬめりが落ちるので時短になります。こちらも頂く際は、加熱をしましょう。

タコとオレンジのハーブビネガードレッシング
(フルーティーな前菜にどうぞ)


タコとオレンジのハーブビネガードレッシング

材料|4人分(塩分量0.2g)

  • ゆでダコ(刺身用)・・・・120g
  • バレンシアオレンジ・・・・1個
  • クルミ・・・・15g
  • ケッパー・・・・大さじ1
  • エストラゴン(タラゴン(生)・・・・5cm
  • セルフィーユ(チャービル(生)・・・・適量
  • [ハーブビネガー]
  • ローズマリー(生)・・・・5cm×2本
  • 白ワインビネガー・・・・大さじ2

タコとオレンジのハーブビネガードレッシング|作り方

  1. ハーブビネガーを作る。ローズマリーを、フライパンで焦がさないよう乾煎りし、白ワインビネガーに1時間ほど浸けておく。
  2. タコは薄くそぎ切りにする。クルミは、大きいものは粗く砕いて、フライパンで乾煎りする。
  3. オレンジは皮をむいて、実だけ取り外し、細かくほぐす。エストラゴンは、葉を軸からはずし、細かいみじん切りにする。
  4. ボウルに、(1)のハーブビネガー、(2)のクルミ、(3)のオレンジとエストラゴンを入れて混ぜ、ケッパーとタコも加えて絡める。
  5. タコとオレンジのハーブビネガードレッシング
  6. 4等分にして器に盛り付け、それぞれにセルフィーユを飾ってできあがり。

※白ワインビネガーが無ければ、他の果実酢で代用しても良いでしょう。