アボカド
アボカドは豊富な脂肪分を含むため「森のバター」とも呼ばれており、ギネスブックにも「最も栄養価の高い果実」として登録されています。一年中スーパーで見かけるアボカドですが、その多くはメキシコから輸入されたものです。メキシコ産アボカドの美味しい時期はオイルの含有量がピークの5〜7月で、南半球のニュージーランド産は10〜1月が旬となります。国内では和歌山県や愛媛県などで栽培されていて、12月に収穫時期を迎えます。アボカドには3系統1000品種以上があるといわれていますが、日本国内で流通しているアボカドのほとんどは皮がゴツゴツした「ハス種」で、国内で栽培されている品種は低温に強く、味が濃厚な「ベーコン種」です。
- ハス種
- 世界の多くの国で栽培されている品種。皮が厚く、長距離での輸送に適している。熟すと黒くなるので、食べごろがわかりやすい。
- フェルテ種
- 世界で2番目に生産量が多い。味は濃厚だが、熟しても黒くならないので食べごろがわかりにくく、収穫後の日持ちもハス種より悪い。
- ベーコン種
- 国内で生産されているアボカド。フェルテ種同様、味は濃厚で熟しても黒くならない。フェルテ種よりさらに低温に強いため、日本の温暖な気候の地域でも栽培が可能。
アボカドの栄養価
・不飽和脂肪酸
果肉の約20%が脂肪ですが、その80%はリノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸のため、コレステロールの心配がなく、むしろ動脈硬化の予防や老化防止に役立ちます。
・食物繊維
アボカドの食物繊維はゴボウ1本分に相当するといわれています。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が2:1で含まれており、便秘の改善に効果が期待できます。
・グルタチオン
強い抗酸化作用のあるグルタチオンが豊富に含まれています。活性酸素を除去し、がん予防や肝機能の向上に効果があるといわれています。
・ビタミンE
抗酸化作用があり、老化防止や高血圧予防に役立ちます。血流を促す効果にもすぐれているため、シミやそばかすの予防、シワや乾燥肌の改善などの美肌効果も期待できます。
・ビタミンB2
細胞の再生や成長を促進する働きのあるビタミンで、健康な皮膚や髪、爪をつくるのに不可欠です。不足すると口角炎、口内炎、舌炎など皮膚や粘膜に炎症が起こりやすくなります。代謝を支える働きもあるため、運動などエネルギーをたくさん消費する人ほどビタミンB2が必要になります。
・カリウム
体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、高血圧の予防に効果が期待できます。むくみ対策にも。
100gあたり187kcalとカロリーの高いアボカドですが、消化がよく、デトックス効果の期待できる食材です。一日半個〜一個を目安に、毎日の食事に取り入れてみてください。
アボカドの選び方・保存方法
すぐに使う場合は熟しているものを選びます。皮が黒っぽくなっているもの、触ると弾力があり、ヘタの部分が少し乾いて浮いてきているものが食べごろです。触ったときにやわらかすぎるものは、熟しすぎていたり傷んでいる可能性があります。
青くてかたいものを購入した場合は、20度の室温で追熟させます。5度以下だと低温障害を起こしてしまい、27度を超える場所でも傷んでしまいます。バナナやリンゴ、メロンなどの果物と一緒に袋に入れておくと早く熟します。
丁度よく熟したものは袋に入れて冷蔵庫に入れ、2〜3日中に食べるようにしてください。切ったものは変色してしまうので、レモン汁をかけて空気に触れないようにして冷蔵保存してください。皮や種をとって冷凍保存することも可能です。
アボカドのライ麦パンサンド
材料|4人分(塩分量0.2g)
- アボカド・・・・2個
- トマト・・・・120g
- タマネギ・・・・60g
- ツナ(フレーク缶)・・・・40g
- レモン汁・・・・小さじ3.5
- ハチミツ・・・・小さじ2
- バター・・・・適量
アボカドのライ麦パンサンド|作り方
- タマネギは、繊維に添って薄切りにする。辛味が強ければ、水にさらして辛味を抜き、しっかりと水気を切る。
- ボウルに(1)を入れ、汁気を切ったツナ、レモン汁(小さじ2)を加えて、混ぜ合わせる。
- トマトは、7mm厚の半月切りにする。
- アボカドは、縦にぐるりと切り込みを入れて半分に割り、種を取り出す。皮をむいて適当な大きさに切り、ボウルに入れる。レモン汁(小さじ1.5)を振り入れ、フォークの背を使って、多少塊が残る程度に潰す。
- パンは好みでトーストして、片面に薄くバターを塗る。
- 4枚のパンを、バターを塗った面を上にして並べ、(2)を均等にのせて、ハチミツを全体に回しかける。 その上に(4)を等分に乗せ、(3)を置く。残りのパンを、バターを塗った面を具に向けて、はさむ。