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手間隙かけて育てる蜜芋(安納芋)と若者の未来

亜熱帯の気候と黒潮が運ぶ風が吹く、種子島。
その何万年もの時が育んだミネラル豊富な洪積大地で、蜜芋(安納芋)に最も適した昔ながらの肥料づくりや土作りを行うなど、仲間一人ひとりの知恵と経験を寄せ合い、ひと芋ひと芋愛情をもって、蜜芋(安納芋)は大切に育てられています。 今回は、そんな手間隙のかかる蜜芋(安納芋)づくりを通して、地場産業の伝承と若者の育成に取り組む生産者グループにスポットライトを当ててみました。

手作業で雑草や虫の除去をしているところ。
大切に育てられています。

愛情たっぷりで育つ蜜芋(安納芋)

夢百笑の生産者グループは、種子島の地で在来種である蜜芋(安納芋の原種)の栽培を行なっています。化学肥料や農薬の使用は極力控え、除草作業などは日々手作業でしているそうです。また、まんべんなく光合成ができるようツル払いを行なうなどして、子どもを育てるかのごとく愛情をたっぷり注ぎながらつくられる蜜芋(安納芋)。更に、収穫後は芋専用の貯蔵庫で熟成、保管を行い、糖度検査をクリアしたロットのみを出荷しているから、焼き芋にするととっても甘くてしっとりジューシーに仕上がります。

地場産業の伝承と若者たちの育成。

蜜芋(安納芋)の栽培には大変な手間隙がかかります。しかし、そうすることで産地の若者が安定して働ける場が提供されます。在来種である蜜芋(安納芋)を守って行くことが、ひいては地場産業の伝承と子供たちの未来を守ることにつながって行くよう取組みを続けている、夢百笑のみなさん。「夢百笑」には「種子島で農業に従事する若者が夢を持ち、日々笑顔が絶えない農家作業を目指したい。」という思いが込められているそうです。そんなお話を聞くと、甘い蜜芋(安納芋)を食べるとき、農作業をする若者の笑顔も浮かんで来そうですね。

収穫された蜜芋(安納芋)。
愛情たっぷり丸々と育ちました。

大切に育てた芋を安心して食べていただくために

夢百笑の生産者グループは、栽培基準と品質基準を設け栽培管理を行なっています。すべてのロットの栽培履歴が残され、出荷された商品のトレース(食品の生産、処理・加工、流通、小売の各段階の情報を記録し、どの段階でも食品の情報が把握できるようにする仕組み)も取れます。また、収穫した芋は、約5日間かけてキュアリング(熟成・傷口(カット部)の修復)を行い、専用貯蔵庫で保管管理され、規格別に選別・検品されたA品のみを出荷しているので、安心できるおいしい芋が全国へ届けられるのです。

原種を守る意味。

原種の野菜栽培は、手間がかかる、収穫できるのは旬のみで出荷が一定しない、形が不格好であまり売れないなどの理由から栽培する農家が減り続けています。蜜芋(安納芋)も例外ではなく、サツマイモと比較され、見栄えの悪さから売れない作物としてサツマイモに似せた品種改良が行なわれてきました。しかし、夢百笑のみなさんは、手間隙がかかっても原種である蜜芋(安納芋)にこだわり、その優れた味を守り続けています。原種を守ることは、作物の多様性を守ること。また、その作物を生産する人々、地域の産業を守ることにも繋がっています。

蜜芋(安納芋)のやきいも

別名「幻の蜜芋」といわれるように、その形状は唐芋の原種に近い紡錘形丸形で肉色はまるで黄金のような濃いオレンジ色。
そして何よりねっとりした食感でおどろくほど甘味が強いのが特徴です。
従来のサツマイモのイメージとは異なる風味ゆえサツマイモ嫌いの人でも食べられるといわれています。

1.

ぽってり大きく育った蜜芋(安納芋)の青果は、通年10月~翌年3月までの限定販売。毎年すぐに売り切れてしまうそうです。

2.

蜜芋(安納芋)は、焼くと中の水分が溢れ出るほどジューシー。においも甘くて焼けるのが待ち遠しくなります。

3.

昔ながらの壺焼き。満遍なくじっくり加熱することが出来ます。

4.

焼きあがった蜜芋(安納芋)は、まるでスイートポテトのようにしっとりしています。喉につまるようなパサパサ感がないので、お子さんの離乳食やお年寄りの方も安心して食べられます。

蜜芋(安納芋)のおいしい焼き方。

1番のコツはじっくりと時間をかけて加熱すること。オーブンであれば200℃~250℃にし、30分~40分ほど加熱すると最も甘くなります。
オーブン以外では、深い鍋に新聞紙でくるんで水に通した芋を置き、とろ火で40~50分焼く方法もあります。
サツマイモには「ヤラピン」という成分が含まれていて、これは腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進し、便をやわらかくする効果があると言われています。そのため、サツマイモに整腸作用があると言われるのは、このヤラピンと食物繊維の相乗効果によるものとされています。
★さつまいものヤラピン:【食育ディレクトリ[ 食材別 ]野菜・きのこ・いも類>さつまいも】

DATA:

店舗情報 夢百笑 食品事業部

大阪市中央区和泉町1-1-14
ワイエムピー谷町6F

TEL 0120-25-3210

URL http://yumehanbai.com/

※通信販売のみとなっております。

(2012年10月.現在)

 

「種子島安納芋」といっても近年種苗改良などで、様々な種類が出回るようになりました。そんな中、私達「夢百笑」生産者グループが取組んでいるのは、原種にこだわり、手間隙かけて育てることで、原種でしか味わえないナチュラルな美味しさや甘味を最大限ひき立たせた蜜芋(安納芋)に育てあげることです。
また、農業に従事する若者たちを増やし、技術を伝承していくことが、蜜芋(安納芋)と子供たちの未来の両方を守ることにつながって行くと信じ、これからも笑顔の絶えない農業を目指して取り組んで行きたいと思っております。

【取材レポート】
今回取材に訪れたのは、食品事業部のオフィス。こちらで各生産者の管理、販売をされています。残念ながら収穫の時期ではなかったので、青果をいただくことは出来ませんでしたが、焼く手間を省いた電子レンジでチンして食べられる蜜芋(安納芋)を試食させていただきました。普通のサツマイモとは全く違う、しっとりジューシーな食感と甘みにビックリの担当者。次の出荷がはじまったらぜひお取り寄せしたい!とカタログをいただいて帰って来たのでありました。

 

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