へぎそば(新潟県)
へぎとは木を使った四角い器のことで、そばを盛り付ける器の名前が料理名となっています。へぎそばの料理の特徴は、つなぎに「布海苔」という海藻が練り込まれている点です。特有の風味、つるっとしたのどごしと歯ごたえがあり、色は少し緑がかっています。またへぎそばならではの美しい盛り付けは、布海苔を使ったこコシの強いものでないと難しいなどと言われています。
へぎそばの歴史
新潟県の織物文化と蕎麦の食文化が融合して生まれた新潟県魚沼地方発祥と言われる郷土料理です。へぎそばの「へぎ」は、剥ぎ板で作った四角い器の事で、剥ぐ→はぐ→へぐ のなまりで「剥ぎ」を語源としています。この器に一口ずつ美しく盛った蕎麦は、手振り・手びれと呼ばれていて、織物をする際の糸を撚り紡いだ「かせぐり」からくる、手ぐりの動作を表し盛り付けられています。
へぎそばの豆知識
・そばになぜ布海苔が入ることになったの?
新潟の織物文化の中で身近にある布海苔を蕎麦にも活用できないか、と考えられたのが始まりですが、布海苔を蕎麦に練り込むことで、ツルッとした食感と弾力のあるコシが生まれて、喉こし良い蕎麦が出来上がります。また一般的に蕎麦と一緒に食べられているわさびの代わりに、へぎそばは、からしで食べる風習があります。
薬剤師の食育コメント
蕎麦粉は小麦粉と違ってグルテンを含まないため、蕎麦を打つにはつなぎが必要です。一番多く使われるのは小麦粉です。中でも中力粉や強力粉を使われます。中力粉をつなぎに使ったそばは、つるつるとした食感とほどよいコシがあります。強力粉を使った場合はグルテンを多く含むため生地が扱いやすくなり、中力粉をつなぎに使ったそばよりももっちりとしたコシのある食感になります。
へぎそばの作り方
材料|4人分
- 乾燥布海苔・・・30g
- 蕎麦粉・・・400g
調理ステップ
- 銅なべの中に、乾燥布海苔を入れる。全体が緑色になるまで弱火で1時間程度ゆっくりと煮込んでいきます。
- そば粉8割の中に、布海苔2割を加えます。上半身の体重をかけて、リズムを取ってこねます。
- 約2〜3mm程度の厚さになるまで平らに伸ばしていきます。
- 下に押しつけるように包丁で切る。こま板を少しずつずらして、同じ太さになるように切っていきましょう。