がめ煮(福岡県)
「がめ煮」は福岡県の代表的な郷土料理で、博多の方言「がめくりこむ」(寄せ集めるの意味)が名前の由来とされています。豊臣秀吉の起こした文禄の役の時に、朝鮮に出兵した兵士が当時「どぶがめ」と呼ばれていたスッポンと、ありあわせの材料を煮込んで食べたのが始まりで、そこから「がめ煮」と名付けられたという説も伝わっています。今では、正月料理や精進料理として作られる一品となり、スッポンではなく鶏肉を使うのが一般的になり、地元で欠かせない味となっています。全国調査で福岡市の鶏肉とごぼうの消費量が多いのは「がめ煮」に使うことが影響しているといわれる程です。「がめ煮」は、全国的には「筑前煮」とも呼ばれています。筑前煮は、骨なしの鶏肉が使われるのに対し、がめ煮は骨つきの鶏肉が使われることの違いがあるそうです。
がめ煮の歴史
「がめ煮」が食べられるよになったのは、豊臣秀吉が朝鮮出兵をした文禄の役の時代の頃。博多に野営をしている際、「泥亀(どろがめ)」もしくは「どぶがめ」と呼ばれるスッポンとありあわせの野菜とで煮込んだのが始まりと言われています。
がめ煮の豆知識
・最初はスッポンを煮込んで食べられていた?
最初は鶏肉ではなくスッポンで作られていましたが、現在は鶏肉を使います。鶏肉の前は、亀の他にも鮪や鯨でも調理されたと言われています。
・「筑前煮」と「がめ煮」との違いは?
「筑前煮」は、具材を油で炒めますが、「がめ煮」は油で炒めずにそのまま煮込みます。「がめ煮」は元々卵を産めなくなった鶏のあらゆる部位を使って調理していたので、油を引かなくても鶏の脂が出たという理由からです。また「がめ煮」は鶏を丸ごと一匹使う事から骨付き鶏を使う事が多いですが、「筑前煮」は骨付きを使いません。「がめ煮」と「筑前煮」にはこのような違いがあるのですが、現在ではほぼ一緒の料理として扱われる事が多くなりました。
薬剤師の食育コメント
鶏肉はたんぱく質が豊富で低脂肪な食材です。そのため、アスリートなどの筋肉をつけたい人や、太りたくない人にも好んで食べられています。しかし、たんぱく質だけでなく、その他の栄養素も豊富な食材です。ただし鶏肉の部位によって成分やカロリーが異なります。
がめ煮の作り方
材料|4人分
- 鶏骨つきもも・・・300g
- 里芋・・・5個
- こんにゃく・・・1枚
- れんこん・・・中1節
- にんじん・・・中1本
- ごぼう・・・1/2本
- 絹さや・・・4~5枚
- 出汁・・・1カップ
- 酒・・・大さじ2
- 砂糖・・・大さじ2
- みりん・・・大さじ1
- <醤油・・・大さじ3/li>
【調味料】
調理ステップ
- 鶏肉の余分な脂を取り除き、フォークなどで数箇所穴をあけてから一口大に切ります。
- こんにゃくは手で一口大にちぎり下茹でをします。れんこんは半月切り、ごぼうは幅3cm程の斜め切りをして共に水にさらします。にんじんは乱切り、絹さやは筋を取り下茹でをします。
- 鍋に油を熱しから、鶏肉を入れる。中火で表面の色が変わる位まで炒めます。
- こんにゃく、にんじん、れんこん、ごぼうを鍋に入れて、全体に油がまわるよう炒め合わせます
- 醤油以外の調味料を入れ、ふたをして煮立たせます。
- 煮立った後、ふたを取り、醤油を入れます。落としぶたをして約20分程度弱火で煮込みます。
- 煮汁が少なくなるまで煮込んだら、完成です。絹さやを散らしましょう。