ゴーヤチャンプルー(沖縄県)

日本の郷土料理「ゴーヤチャンプルー(沖縄県)」|食育大事典

ゴーヤチャンプルー(沖縄)

チャンプルーとは、沖縄県の方言で「ごちゃまぜ」という意味で、その名の通り、豆腐や野菜などの様々な食材を一緒に炒める料理です。代表的なチャンプルー料理には、ゴーヤーチャンプルーや麩チャンプルー、ソーミンチャンプルー、パパヤーチャンプルーなどがあります。ゴーヤチャンプルーは、ゴーヤとポークランチョンミート、卵や島豆腐を使い、塩と醤油、砂糖などで味付けをした沖縄の庶民料理で、沖縄県ではもちろん日本全国で食べられている沖縄県を代表する料理です。

※諸説あり

ゴーヤチャンプルーの歴史

東南アジアやインドが原産のにがうり(ゴーヤ)は、中国を経由して15世紀頃に沖縄へ伝わりました。ゴーヤは沖縄の方言です。ゴーヤは、栄養価の高さと鮮やかな緑色そして独特の苦みが食欲を増進させる為、豚肉や島豆腐などと一緒に炒めるゴーヤチャンプルーが医食同源の考えを取り入れた家庭料理の代表として沖縄で広まり、親しまれていきました。日本本土へゴーヤなどの食材やチャンプルーなどの食文化が一般的に広がったのはもう少し後。それはウリ類やトマトなどを食い荒らす害虫「ウリミバエ」が1919年に沖縄県全域で確認され、日本国内の蔓延を防ぐ為に、沖縄県からのゴーヤを始めとするウリ類などの出荷が制限・禁止されていたからです。ウリミバエの絶滅に成功した1993年頃から本土へゴーヤが再入荷されるようになり、さらには2001年放映された沖縄が舞台のドラマの影響で沖縄文化が注目された事も相まって、ゴーヤチャンプルーなどの沖縄文化が全国に広まっていきました。

ゴーヤチャンプルーの豆知識

沖縄県では「豚は鳴き声以外すべて食べられる」、琉球料理では「豚に始まり豚に終わる」と言われている程、豚肉が食べられています。ゴーヤチャンプルーの具材にも豚肉が使われており、沖縄県では豚肉の缶詰「ポークランチョンミート」が使われる事が一般的です。ポークランチョンミートは、1937年頃にアメリカで生まれた肉の長期保存を考えて開発された加工食品。日本へは米軍の戦時の非常食として持ち込まれ、第二次世界大戦後に沖縄で食べられるようになりました。元々豚肉文化である沖縄県民の食文化と合致し、沖縄県では今や欠かす事のできない存在となっています。一般的にポークランチョンミートのことは「SPAM(スパム)」と呼ばれていますが、それは商品名。沖縄県では「ポーク」と呼ばれており、スパムよりも「TULIP(チューリップ)」という商品の方がメジャーだそうです!

薬剤師の食育コメント

ゴーヤは、トマトの5倍の豊富なビタミンCを含み、熱に強い食材です。紫外線対策やシミ予防になり、カリウムや食物繊維も豊富なので、むくみや便秘を改善します。ゴーヤ特有の苦み成分「モモルデシン」には血糖やコレステロール低下作用があります。食欲増進につながる苦味、ビタミンCを豊富に含むので、気温が高い沖縄県での夏バテ予防に重宝されています。ゴーヤーは夏野菜ですが、品種改良が進み通年出回るようになり、近年では季節問わず食べられる食材の一つです。

食育大事典の郷土料理

ゴーヤチャンプルーの作り方

ゴーヤチャンプル(沖縄)

郷土料理材料材料|4人前

  • ゴーヤ・・・・1本
  • ポークランチョンミート・・・・200g
  • 豆腐・・・・1丁(木綿でも絹でも◎)
  • 卵・・・・2個
  • サラダ油・・・・大さじ2
  • 塩・・・・小さじ1/2
  • 醤油・・・・小さじ1/2
  • 胡椒・・・・少々
  • かつお節粉・・・・大さじ1(鰹節でも◎)
  • 【ゴーヤの塩もみ用】

  • 塩・・・・小さじ1/4
  • 砂糖・・・・小さじ1/2

郷土料理調理ステップ調理ステップ

  1. 豆腐をキッチンペーパー2枚で包み、ペーパーが重なる方を下にして耐熱容器に置き、電子レンジで3分程加熱(600w)水切りをします。
  2. ゴーヤは縦半分に切り、種とワタを取り除き5mm幅に切ります。塩と砂糖が全体に行き渡るように絡ませて10分置いた後、水で軽く流して水気を切っておきます。
  3. ポークランチョンミートは1cm角の食べやすいサイズの棒状に切ります。
  4. フライパンにサラダ油を熱し、水切りをした豆腐を手で1口大にちぎりながら入れていきます。焦げ目が付くまで触らず、じっくりと焼き、裏面も同様に焼き色が付くまで焼いていきます。両面に焦げ目が付いたら一旦フライパンから取り出しておきます。
  5. 豆腐を焼いたそのままのフライパンにポークランチョンミートを入れ、こんがりと焼いてから、一旦フライパンから取り出しておきます。
  6. さらにそのフライパンでゴーヤを炒めます。しんなりしてきたら、豆腐とポークランチョンミートを戻し入れて、胡椒を加え全体を混ぜ合わせます。
  7. 溶き卵を全体に回し入れて、20秒程待って少し卵を固めてから大きく混ぜるように炒め合わせて、醤油をフライパンのフチに回し入れてよく混ぜます。最後に塩とだし粉で味を整えて完成です。

※ ゴーヤの苦味を和らげるために砂糖と塩で塩もみしましたが、苦味が好きな場合は、不要です。
※ ポークランチョンミートの代わりに豚肉のバラ肉を入れても美味しいです。