味噌煮込みうどん(愛知県)
小麦粉と水だけで練った麺を八丁味噌仕立ての濃い出汁を入れた土鍋の中で煮込む名古屋名物「味噌煮込みうどん」。コシの強い麺と濃厚な味噌の味が特徴です。味噌煮込みうどんを土鍋で煮込む際、蓋はしません。その味噌煮込みうどん用の土鍋の蓋には蒸気を逃す穴がなく、うどんを冷ます小皿の役割として使われます。
味噌煮込みうどんの歴史
味噌煮込みうどんは、山梨県の郷土料理「ほうとう」から生まれたと言われています。ほうとうは、戦国時代に武田信玄公が陣中食として食べていました。そして武田家滅亡後に徳川家に仕えた武田家遺臣が徳川家に「ほうとう」を伝え、尾張地方(愛知県の北西部)その地域の調味料を使った味噌煮込みうどんが食べられるようになったという説があります。
味噌煮込みうどんの豆知識
- 麺が硬いのは、塩を使わず、小麦粉と水だけで作られているから。また一般的な麺料理のように別茹でせず、生の麺のまま煮込んでいくからです。
- 味噌煮込みうどんに使われる八丁味噌は、豆味噌とも赤味噌とも呼ばれている愛知県の岡崎市の八帖町で作られた調味料です。国が定めた基準を満たす豆味噌のみが八丁味噌と呼ぶことができます。
薬剤師の食育コメント
味噌煮込みうどんで使われる八丁味噌は愛知県岡崎市八帖町(旧:八丁村)で江戸時代から作られてきた豆味噌です。原料は豆と塩のみ。含まれている栄養素の「メラノイジン」は、高い抗酸化成分であり活性酸素を除去する働きがあります。
味噌煮込みうどんの作り方
材料|1人前
- うどん(茹で)・・・1玉
- 鶏もも肉・・・1/3枚
- 椎茸・・・2枚
- 薄揚げ・・・1枚
- かまぼこ・・・2切れ
- 生卵・・・1個
- ねぎ・・・1本
- 八丁味噌(あれば)・・・大さじ2.5
- 和風出汁(濃いめ)
- 酒・・・大さじ1
- 砂糖・・・大さじ1/2
- 一味or七味・・・適量
調理ステップ
- 鶏もも肉は一口大に切り、薄揚げはお湯通して油抜き後に細切りに、ねぎは斜め切り、しいたけは石突を取り除き飾り包丁を入れます。
- 冷凍うどんで作る場合は、先に茹でておきます。
- 土鍋に和風出汁を入れて煮立たせた後、味噌と酒、砂糖を入れてさらに煮込みます。
- 煮込んだら鶏もも肉と椎茸を入れてさらに3分程煮込みます。
- さらにうどんと薄揚げ、かまぼこ、ねぎを入れ、最後に真ん中にスペースを作り、生卵を割り入れ、蓋をし30秒〜1分程で火を切ります。(お好みの半熟卵の加減で火入れを調整してください)
- お好みで一味or七味を入れて出来上がりです!
※ 本場は生のうどんを煮込みますが、ご家庭ではゆでうどんでも、冷凍うどんでもOKです。また一人用の土鍋を用意すると本場の雰囲気が味わえますよ。