黒毛和牛焼肉 錦へんこつ
錦市場から富小路を20mほど上ったすぐ右手。
思わず見過ごしてしまいそうな京風情のある細い路地を入ると、そこに「錦へんこつ」はあります。
和牛のおいしさをもっと伝えたいと、タレは肉によって調合を変え、食べる時には焼き方や部位の名前も教えてくれる。
牛肉への意識が変わりそうなお店、それが「錦へんこつ」です。
肉が一番おいしく味わえる厚みを知っている店主。
部位と状態によって厚みを変えて切ります。
牛肉には霜降の度合いや肉質などで「格付け」があり、一般的には等級が高いほどおいしい牛肉であると言われています。錦へんこつでは、あえてA4ランクの肉を出しています。その訳は、最上位のA5ランクが、焼肉で食べるにはオーバースペックである事に加え、高額である事。舌にとろける肉質でありながら、脂がしつこくなり過ぎない、その絶妙なバランスの肉を少しでも多くの人に楽しんでもらえる。それが、A4ランクの和牛の良いところだそうです。
部位ごとにおいしい焼き方があるそうです。
錦へんこつでは、お客さんに肉をお出しするときに部位の名前や焼き方をひとつひとつ教えてくれます。肉は火を通すことで味も食感も変わって来るので、1番おいしく食べられるように毎回説明をしているそうです。また、30種類ほどの材料を調合してつくる特製の漬け込みタレは、部位によって調合を変えているから肉のうま味が十分に引き出されています。
今まで見たことや食べたことのないホルモンやめずらしい部位が出て来ることがあるので、スタッフ自身も学ぶことができ、お客様も家庭で焼肉を食べるだけでは知ることの出来ない牛の知識を得ることができます。自分が食べるものについて興味深い話を聞くことで、他の生き物の命に改めて感謝したいに気持ちになりますね。
日本の焼肉店は、戦後の1946年、東京・新宿の「明月館」と、同年東京で開業し翌年に大阪・千日前に移転した「食道園」がはじまりとされています。また、素焼きした肉をタレにつけて食べるというスタイルは日本ではじまったと言われており、焼肉を焼くための「無煙ロースター」は日本の企業が開発し、海外にも輸出されています。
生肉の盛り合わせ
生のお肉は特製のお醤油につけて。薄く切ったお肉は口に入れるとすぐに解けてしまいます。
2種類のタレ
2種類のタレ。左の和風だしベースは風味豊かであっさりしていて、右の醤油ベースは甘めのしっかりした深い味わい。赤身は和風ベースのタレがおすすめだそうです。
さまざまなホルモン
今日のホルモンは、マルチョウ(小腸)、タケノコ(血管)、ハチカブ(第2胃袋)、ウルテ(気管の軟骨)、てっちゃん(大腸)、上ミノ(第一胃)、赤セン(第4胃)、バサ(肺)、ネクタイ(食道)。味も歯ごたえも全部違います。
赤身の盛り合わせ
ヒレ(背骨の内側の脂肪が少ない部分)と上カルビ(肋骨周辺)は塩コショウで。バラ(腹部)、カイノミ(腹部の肉でヒレに近い部分)、イチボ(でん部の先)はタレで。部位によって切り方も厚みも変えています。
ホルモンは赤身肉と比較して脂肪分が少なく、網で焼けば脂も落ちて比較的低カロリー。ビタミンA、ビタミンB群、鉄分、亜鉛などのビタミンとミネラルも含まれているので、野菜と一緒に食べれば栄養のバランスも取りやすくなります。
そして、特に女性には嬉しいコラーゲンも。ただし、タン(舌)やマルチョウ(小腸)は脂身の多い正肉と同じくらい脂が多くカロリーも高めなので、おいしくても食べすぎには注意しましょう。
DATA:
店舗情報 黒毛和牛焼肉 錦へんこつ
京都市中京区富小路通錦上ル東側高宮町593
TEL 075-212-1955
営業時間 17:00~23:00(L.o.22:30)
定休日 不定休(月に1・2回)
URL http://r.gnavi.co.jp/c617900/
(2012年11月.現在)
選び抜いたA4ランクの黒毛和牛を思う存分味わっていただくために、リーズナブルな価格でコースメニューをご用意しています。
その他、厚切りのカルビやサーロインもおすすめ。
新鮮な珍しいホルモンもぜひご賞味ください。
少しわかりにくい場所にありますが、大切な人とゆっくり美味しいお肉を食べにいらしてください。
お待ちしております。
【取材レポート】
錦へんこつさんは錦市場のすぐそば。
観光客がとても多い地域でありながら、お店は路地の奥にあるのでとっても静か。店内は大人の隠れ家風でゆっくりと良質のおいしいお肉が味わえます。
今回、見たこともないホルモンが出てきて、部位の説明にビックリしましたが、どれも本当に美味しかったのですっかりホルモン好きになった取材担当者。その日によって入る肉やホルモンの種類が違うそうなので、また別の日にも行ってみたいと思います。