うさみ亭マツバヤ
寒風吹きすさぶ日は、ほんわかと湯気が立ち上るうどんが恋しくなります。関西人にとって馴染みの味といえばきつねうどん。手間は惜しまず技をつないできた元祖の店で食べる一杯はまた格別です。
三代目の宇佐美芳宏さんは、注文が入ると流れるような手さばきで1杯を仕上げます。お店は創業当時から同じ場所で商いを行ってきました。店先に置いてある大きな石臼は昔使っていたものだそう。
きつねうどんに欠かせないあげ。あげ用のダシは長年継ぎ足して使い、一度に100枚炊いています。
すべての具材を一から丁寧に仕込んでいます。じっくり炊かれたしいたけもこっくりと深い色に。手打ちで仕込むうどんは、毎日出す分だけ打っています。メニューには抹茶を加えた茶そばもあり、こちらも自家製です。
うさみ亭マツバヤのおすすめ
きつねうどん
シンプルながら後を引き、何度も食べたくなる味。こだわり素材たちの相乗効果で、極上の一杯に仕上がっています。
DATA:
うさみ亭マツバヤ
大阪府大阪市中央区南船場3-8-1
TEL 06-6251-3339
営業時間 11:00~19:00(L.O.)
金・土曜 11:00~19:30(L.O.)
定休日 日曜、祝日
(2016年12月 現在)
【取材レポート】
きつねうどんに次いで人気のメニューを尋ねると「おじやうどんでしょうなぁ」とご主人。戦中戦後の食べ物がなかった時代に少しでもお腹が膨れるものをと考案。少量のごはんとうどんをあり合わせの具材を加えて一緒に煮込んで出したところ、評判が良くメニューになったのだとか。今は鶏肉や刻みあげ、穴子、しいたけなどを入れて当時より豪華になりました。オリジナルの南部鉄器鍋でアツアツが保たれるのもうれしい心遣い。寒い日は体の芯まで温かさが染み渡ります。こちらもぜひご賞味あれ。