保存食LAB
人々の暮らしの知恵が詰め込まれた保存食は、家庭の必需品として発展してきました。飽食の時代となり、その価値が埋もれつつある今、現代風に保存食をアレンジした店が静かに注目を集めています。
保存食は一つ一つが手作り。商品は食材の旬に合わせてこまめに入れ替わるため、訪れるたび新しい味に出合えそうです(画像上)。窓際に並ぶ保存食。野菜や果実に合わせるのは塩やリンゴ酢などシンプルな調味料が中心です(画像下)。
鮮やかな色合いの柚子胡椒(左)と練り柚子塩(右)。どちらも冷凍保存が可能。退色せずフレッシュな香りが保たれます(画像上)。収穫した柿をチップスと干し柿に加工。手を加えすぎずシンプルに素材の良さ生かすことが増本さんのルール(画像下)。
キッチンには作り貯めた保存食の瓶がずらり。これはほんの一部で冷蔵庫にもたくさんの保存食が眠っています(画像上)。取材時に出してくださったのは、生姜と柚子のコーディアルをお湯で割ったもの。すっきりとした酸味と程よい辛味で体はポカポカ(画像下)。
保存食LABのおすすめ
柚子なんば
福井県などに伝わる調味料をアレンジ。獅子柚子に甘糀を加え、辛味の中に広がるさわやかな酸味と優しい甘さが特徴。寒い季節は鍋の薬味に。
フレッシュ柚子胡椒“PIRIRI”
柚子の初々しい酸味と鼻からふわりと抜ける濃い香り、青唐辛子の刺激がくせになりそう。ドレッシングや酢飯に加えても香りの良さを楽しめます。
DATA:
保存食LAB
京都府京都市左京区吉田泉殿町68-24
TEL 090−1028−2998
営業時間 12:00~17:00
定休日 不定休(営業日はHPで確認)
【取材レポート】
目下、3人の子育てに大忙しの増本さん。育児と家事、ケータリングの仕事の合間をぬって、コツコツと保存食の研究を続けています。7歳になる娘さんには2〜3歳のころからお母さんの梅仕事や柚子の皮剥きを手伝い、梅のへそ取りはお手のものだそう。日頃から畑での収穫を体験させるなど、生きた食育を大事にされているのが印象的でした。