玄米カフェ　実身美（サンミ）心斎橋店

「家族のために作るごはん」をテーマに、体も心も健やかになれる料理を毎日手作りしている玄米カフェ　実身美。作り手の温かな思いを味に乗せ、今日もお客さんたちを笑顔にしています。

「当然のことかもしれませんが、メニューのすべては作り手もすすんで食べられる安心できるものをお出ししています」と川久保さん（画像上）。実身美では主食として玄米のみを提供。白米はありません。ブームになる前からその高い栄養価に注目し続けてきました（画像下）。

ヘルシーごはんを続けて16年

関西のナチュラルフードカフェの先駆けとして大阪・あべので2002年に１店舗目がオープンし、今では東京や沖縄にも店を構える実身美。女性１人でも入りやすいようにと、店内は木を基調とした明るい雰囲気。体を思いやる意識が広がり、今では近隣のビジネスマンも１人でやってくるなど、幅広い層に愛されています。

「店が始まったころは玄米に対する世間のイメージがあまり良いものではなく、お客様に理解していただくのが大変でした。変化が訪れたのはマクロビオティック元年と言われている2004年。玄米食やマクロビに対する考え方が一般に広く知られるようになってからはお客様も増え、最近では当店の周りにも玄米を提供している飲食店が多くなりました」とは、心斎橋店店長の川久保祥子さん。

キッチンは女性を中心に切り盛り。作業に手抜きは一切なく、土がついた野菜を洗って手で切る手間も惜しみません（画像上）。カレーにもついてくる味噌汁はだしから取ることがポリシー。ふくよかな一杯は多くの人を虜にしています（画像下）。

お母さんの味に、手間をひとさじ

実身美を代表する味といえば「日替わり健康ごはん」（ランチ時は日替わりヘルシープレート）。香ばしく炊き上げた玄米ごはんをお茶碗に盛り、季節の野菜をたっぷり使ったおかずに味噌汁が基本の献立。肉か魚を主役にしたメインの一品を加え、食べ応えや栄養バランスに気を配ります。どの家庭の台所にもある添加物の入っていない調味料を使い、味付けはやわらかく。大事にしているのは、素材本来の個性を引き出すことです。

「野菜は無農薬、有機に縛られず、旬に寄り添い畑で健やかに育った野菜やフルーツを厳選しています。味噌汁は必ずだしを取るところから。具材の野菜からもうま味が出て、麦みそと合わさると深みのある仕上がりになるんですよ。家よりもちょっと手の込んだものが食べられるように、いつも心がけています」。こだわりがぎゅっと詰まった味噌汁は、おかわりして飲む人もいるほどだとか。

各店それぞれに試作・試食を重ねたオリジナルメニューがあり、スタッフは新しい味を求めて日々努力を重ねています（画像上）。扉の向こうの喧騒を忘れさせる落ち着いた店内。木のぬくもりがくつろぎ感を演出しています。（画像下）。

１本に栄養を凝縮させたドレッシング

実身美の人気を支えるもう一つが、オリジナルの「酵素ドレッシング」です。ガラスのビンを染めるカラフルな色は素材由来のもの。野菜ジュースと間違える人がいるのも納得です。味のベースとなっているのは有機・無農薬の玉ねぎ。原料の６割を占め、その他の野菜、フルーツもふんだんに加わったヘルシーさが多くの人から支持される理由です。

「この酵素ドレッシングは当社のスタッフが研究を重ねた自信作。１本ずつ手作りなので量産はできませんが、添加物不使用で塩分を抑え、体が喜ぶものになっています」。野菜にかけるだけでなく、グリルした魚や肉のソースや納豆のたれとして、またトーストに塗るのもおすすめ。バリエーションに富んだ使い方ができる万能ドレッシングとして、ギフトに買い求める人も多いそうです。「私たちはお客様一人一人の大事な一食ということを忘れず、毎日キッチンに立っています。土のついた野菜を毎日洗って包丁で切るという、お母さんたちが家庭で当たり前にしていることを、私たちも揺るがず大事にやっていきたいと思います」と話す川久保さん。心と体にパワーを与えてくれる実身美のごはんやスイーツをぜひ。