日本でよく食べられている鮭は「白鮭」と言います。ここから時期によって呼び名が変わるのですが、秋、故郷の河に戻ってくる鮭達を「秋鮭」「秋味(あきあじ)」と呼びます。産卵準備のため栄養を蓄えるので、卵や白子に栄養がいく前のこの時期は脂が乗ってまさに旬です。

鮭は遠くの海まで泳ぎ、産卵のため生まれ故郷に戻ってきます。日本の鮭は北のオホーツク海から太平洋、ベーリング海を泳ぎ、なんとアラスカ海まで回遊します。はるか離れた場所から生まれ故郷へ産卵に戻る理由は詳しくは解明されてないようです。

鮭の赤色の身ですが、本来は白身魚と言われています。それなのになぜ身は白くないのでしょうか。これは、鮭が好んで食べる餌である小さな甲殻類によるもので、その色素成分「アスタキサンチン」が鮭の身を赤色に変えているのです。本サイト「食育大事典」には、鮭を使ったレシピを色々ご用意しておりますので、この機会にお気に入りの一品を見つけてみてはいかがでしょうか。

鮭の栄養成分

・アスタキサンチン
鮭や海老、蟹などに多く含まれている天然色素で、鮭は餌としてそれらを多く取り込んでいます。抗酸化作用が高く、老化や免疫機能低下、動脈硬化の原因となる活性酸素を取り除いたり、エイジングケアの効果やコラーゲンの保護による美容効果が期待できると言われています。

・ビタミンB12
細胞分裂の際のDNA生成に不可欠な栄養です。不足すると正常に赤血球がつくられず、悪性貧血を引き起こしてしまいます。また、神経の修復作用に関わり、手足の痺れの治療に使われているとのことです。

・DHA
DHA(ドコサヘキサエン酸)は体内で合成できない必須脂肪酸で、特に成長期の子どもの脳や神経の発達に必要であると言われています。

・EPA
EPA(エイコサペンタエン酸)は、DHAと同じく必須脂肪酸の一種で、血液や血管の健康に作用し、血液サラサラ効果や心筋梗塞・虚血性心疾患の予防効果があるとのことです。

鮭の選び方・保存方法

切り身のパックから液体(ドリップ)がないかを確認します。皮はハリがあり、身は鮮やかな色でふっくらしていることがポイントです。保存する場合、塩を降って水分を出し、キッチンペーパーで水分を拭き取ってラップで切り身ごとくるんでおきましょう。冷蔵ですと約3日、冷凍ですと約2週間ほどが保存期間となります。料理に使う際は自然解凍をしてください。

秋鮭と茄子の甘酢漬け

材料|4人分(塩分量0.8g)

  • 生サケ・・・・400g
  • ナス・・・・140g(長ナス約1本分)
  • サヤインゲン・・・・4本
  • ニンニク・・・・1かけ
  • スダチ・・・・輪切り4枚
  • 塩・・・・ひとつまみ、少々
  • サヤインゲン・・・・80g
  • 油・・・・大さじ3
  • 甘酢
    酢・・・・大さじ4
  • 砂糖・・・・小さじ1
  • しょう油・・・・小さじ1/2
  • オイスターソース・・・・小さじ1/2
  • スダチ果汁・・・・1個分

秋鮭と茄子の甘酢漬け|作り方

  1. ナスは、長さを2等分に切り、1cm程度の幅の、8~12等分の放射状に切る。サヤインゲンは、2等分の斜め切りにする。ニンニクは半分に切って、芯を取り除く。
  2. サケは、食べやすい大きさのぶつ切りにする。塩(ひとつまみ)をふり、魚焼きグリルで焼く。
  3. 甘酢の材料を、すべて混ぜ合わせる。サケが焼き上がったらバットに並べ、甘酢をかけ、そのまま置いてなじませる。
  4. フライパンを弱めの中火で熱し、油とニンニクを入れ、水分をふき取ったナスを並べて焼く。途中で塩(少々)を振り、ナスに一旦染み込んだ油が、再びフライパンに出てくるまで、面を返しながらじっくりと焼く。
  5. ナスが焼けたら、フライパンを傾けて油を切り、取り出す。(3)のサケを片側に寄せ、ナスが温かい内に、甘酢に漬ける。
  6. (5)のフライパンに残った油で、サヤインゲンを弱火(または余熱)で揚げ焼きにする。火が通ったら取り出し、油を切っての甘酢に浸す。
  7. 均等に味が行き渡るよう、途中でバットを傾けたり、具を返したりして、1時間以上漬け込む。4等分して皿に盛り分け、スダチの輪切りを飾る。