シシトウ
一般的にシシトウと呼ばれていますが、正式にはシシトウガラシ(獅子唐辛子)と言います。漢字に「獅子」と入っているのは、先端が凸凹しており、獅子の頭の形に似ていることからその名が付いたと言われています。
ナス科のトウガラシ属ですが、辛味は無く、ピーマンやパプリカに近い「甘味種」に属します。ですが、シシトウを食べて、とても辛いものを引いてしまったことはありませんか?これは、育った環境による乾燥ストレスや交配の関係により辛いシシトウができると言われていますが、確実に見分けることは難しいです。また、必ずではないですが、辛さの成分が発生する仕組み上、種の少ないものが辛い傾向にあります。現在は品種改良により、辛味をもってしまうシシトウは減りました。
日本での名産地は高知県で、流通しているその半分は高知産のシシトウです。他には、京都では「伏見甘とうがらし」「万願寺とうがらし」「山科とうがらし」、和歌山では「紀州ししとう」という品種があります。
シシトウの旬は6月から夏の終わりまでです。旬の暑い時期の夏バテ対策に、また、健康にも美容にも心強い抗酸化作用のあるシシトウをこの機会に味わってみてください。
シシトウの栄養成分
・カリウム
細胞を正常に保つため、体内のナトリウムとのバランスを調整します。そのため、ナトリウムによる高血圧を抑制したり、むくみを解消する効果が期待できます。また、筋肉にも必要な栄養素で、不足すると筋力の低下や倦怠感を招く恐れがあります。
・ビタミンC
コラーゲンを合成する際に必要で、そのほかに、身体に悪影響を及ぼす活性酸素を取り除く抗酸化作用があるため、美容のためにも必須といえます。体内で合成ができないので、食物から積極的に摂取したい栄養素です。
・カプサイシン
代謝をよくして血行促進・血流改善し身体を温める効果があり、冷え性改善に繋がります。シシトウにはカプサイシンの含まれる量が少ないので、胃を過剰に刺激してしまう心配がありません。
・βカロテン
体内でビタミンAが不足した際、βカロテンがビタミンAに変換されます。ビタミンAは脂溶性のため、油による調理ですと吸収率が高くなります。ビタミンAの効果は、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、ウイルスや細菌からの抵抗力を高める働きがあります。
シシトウの選び方・保存方法
新鮮なものは、緑色が鮮やかでハリがある状態です。しぼんでよれているものや、ヘタの色が変色しているものは時間が経ったものです。もし使いきれず余った場合は、新聞紙で包み、袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存してください。
豆腐とシシトウの塩炒め
材料|4人分(塩分量0.6g)
- 木綿豆腐・・・・1丁
- シシトウ・・・・70g
- トウモロコシ・・・・1/2本
- 干しシイタケ・・・・2枚
- 白ネギ・・・・20g
- ザーサイ・・・・10g
- 干しエビ・・・・5g
- ニンニク・・・・1/2かけ
- 油・・・・大さじ2
- 酒・・・・大さじ1
- 塩・・・・適宜
- 片栗粉・・・・小さじ1(同量の水で溶く)
豆腐とシシトウの塩炒め|作り方
- 豆腐は、重石をして水切りしておく。干しシイタケは、水(1カップ)に漬けて戻しておく。ザーサイは、粗みじんに切ってから、水に漬けて塩抜きしておく。干しエビは、水(大さじ2)に漬けておく。
- シシトウはヘタを切り落とし、3等分に切る。トウモロコシは、包丁で軸から実をはずしておく。白ネギとニンニクは、みじん切りにする。
- 水切りした豆腐は、16等分に切る。干しシイタケは軸を切り落とし、傘の部分を粗みじんに切る。戻し汁は大さじ4杯分を取っておく。干しエビは粗みじんに切り、戻し汁は全量取っておく。ザーサイはしっかり水気を切っておく。
- フライパンに油とニンニクを入れ、弱火にかける。香りが立ってきたら、トウモロコシ、干しシイタケ、干しエビ、ザーサイ、白ネギを加えて炒める。
- 全体に火が通ったら、シシトウと豆腐を加え、豆腐を崩さないよう優しく混ぜながら炒める。酒、取っておいた干しシイタケの戻し汁、干しエビの戻し汁の順番で加えて混ぜ合わせ、煮立ったら、水溶き片栗粉でとろみをつける。味を見て、足りなければ塩で調える。(ザーサイが入っているので、全体の味は薄めを心がける)火を止め、4等分して皿に盛り分ける。