うなぎ(鰻)

栄養素が高いことでも知られる「うなぎ(鰻)」。ウナギ科ウナギ属の魚類に属しています。

夏のスタミナ源として「土用の丑の日」に鰻を食べる習慣があることから、夏が天然物の旬と思われがちです。ですが天然物の鰻は10〜12月が旬となります。天然物の鰻は、寒い冬を越えるため12月頃の冬眠をするまでに、栄養素をたっぷり蓄えます。またしっかりと身を動かしながら成長していくので、身が引き締まり、脂もサラサラしています。

鰻の歴史は、縄文時代頃に食べられていた事が「万葉集」の歌集に残されています。日常的に日本で食されるようになったのは江戸時代。干拓で多く生息し収穫できるようになったことから労働者の食べ物として定着していったそうです。

現在では、天然の鰻(ニホンウナギ)が市場に並ぶのは全体の約3%と少なく、今ではとても貴重な食べ物となっています。

鰻の栄養成分


・ビタミン類
ビタミンA・B1・B2・D・Eなどが含まれます。中でもA・B群が豊富で、約一尾で一日に必要なビタミンの摂取量を賄うことができます。疲労回復や美容効果、さらには骨や歯、目の健康を促します。

・ミネラル類
カルシウム・鉄・亜鉛などを含みます。基礎代謝・新陳代謝・エネルギー代謝を促し、体の機能や組織を調整・強化し、心身のバランスを正常に保つ役割をします。また骨や歯を形成する働きもあります。

・脂質類(高度不飽和脂肪酸)
脳の発達促進や視力の低下予防・動脈硬化の予防改善を助けるDHAや、高血圧予防や炎症を抑える働きがあるEPAが豊富に含まれます。

・タンパク質
疲労回復や成長促進に効果的です。体を作り機能を調整する働きがあります。

・コラーゲン
肌の新陳代謝や皮膚の弾力を守る働きが期待できます。

鰻の選び方・保存方法


・選び方
全体的に平らな形をしているものを選びましょう。焼いた身が下に沿って丸まってしまっているものは皮が硬い証拠です。また中央の薄い身が上を向き、全体的には幅が広く、表面がざらざらしたものを選びましょう。

・保存方法
蒲焼として購入したものをすぐに食べない場合は、一切れずつラップに包み冷蔵庫に入れると2〜3日美味しくいただけます。すぐに食べない場合はラップに包み冷凍で1ヶ月位までには食べましょう。保存した鰻をいただく場合は、自然解凍後(冷凍時)、酒を入れフライパンで蒸し焼きにすることによってふっくらと加熱ができます。

煮ウナギ
(市販の蒲焼がとろけるような口当たりに)


煮ウナギ

材料|4人分(塩分量1.5g)

  • ウナギ(蒲焼)・・・・2尾
  • ツルムラサキ・・・・60g
  • だし汁・・・・150cc
  • 酒・・・・大さじ2
  • しょう油・・・・小さじ2
  • 塩・・・・少々
  •      

煮ウナギ|作り方

  1. ウナギは頭を切り落とし、1尾あたり6等分に切る。ツルムラサキは、4cmの長さに切る。
  2. 熱湯に塩を入れ、ツルムラサキを歯ごたえが残る程度にゆでる。ザルにあけて冷まし、縦に2~3mm幅の薄切りにする。
  3. 平底鍋に、だし汁、酒を入れて強火にかけ、沸騰させる。火力を中火に弱め、しょう油を加えて混ぜたら、ウナギを並べる。
  4. 煮ウナギ
  5. 軽く煮立つ程度の火力で、しばらく加熱する。ウナギが温まってふっくらとし、煮汁の透明度が無くなってきたら、火を止める。
  6. ウナギを3切れずつ盛り付け、ツルムラサキを4等分して添える。ウナギの上から煮汁をかけて、仕上げる。