野沢菜
アブラナ科アブラナ属の二年生植物である「野沢菜」。その昔、野沢温泉村の住職が京都から持ち帰った天王寺蕪の種子を育てたことが「野沢菜」の始まりだと考えられてきました(近年、野沢菜は天王寺蕪ではなく、シベリア経由で入った西洋系のアブラナ科野菜の一種と研究されています)。
育てたところ蕪の部分ではなく葉の部分が大きく育ったため、その部分を料理に使うようになりました。その後、信越地方にも栽培が広がり「信州菜」とも呼ばれるようになります。
今では長野県だけでなく、新潟県や徳島県でも栽培されている野沢菜。地域の気温により異なりますが、長野県では10月下旬頃から11月下旬頃まで収穫が行われます。
野沢菜は1メートル程の丈まで大きく成長し、蕪や大根と同じように、根元から放射状に葉柄を伸ばしていきます。野沢菜漬けとして使用されるのは、葉と茎の部分だけです。根の部分を残して収穫し、残った根の部分は翌春に新しい芽が伸びてきてから「とうたち菜」(花茎(花を咲かせる茎)のこと)として食されています。
信越地方特産の野沢菜漬けは、高菜・広島菜と共に日本三大漬菜の一つとして挙げられる、まさに信州の名産品です。
野沢菜の栄養成分
・ビタミンC
葉物野菜の中でもビタミンC含有量が多い。コラーゲン生成やメラニン生成を抑えるなど美肌効果が期待できます。また抗酸化効果が高く老化やがんの原因となる活性酸素を取り除き、鉄の吸収を助ける作用があります。
・ビタミンA
老化やがんの原因となる活性酸素を除去し、体内へのウイルスや細菌の侵入を防ぎます。視覚情報に関わる神経伝達に不可欠なロドプシンの生成の主成分でもあり、皮膚や肌の粘膜を生成し、人間の視覚情報の伝達します。さらには美肌効果も期待できます。
・βカロテン
葉物野菜の中でもβカロテンの含有量が多い。活性酸素を抑えて動脈硬化や心筋梗塞など、生活習慣病から体を守る働きがあります。皮膚や粘膜細胞を正常に保つ働きもあり、免疫力を高める効果があります。さらにはがん予防にも効果的です。
野沢菜の選び方・保存方法
・選び方
葉がしっかりと立ち活き活きとした緑色の濃い元気なものを選びましょう。また茎の部分が折れておらず艶があり、全体的に重みのあるものが良いでしょう。
・保存方法
濡れたキッチンペーパーなどに包み、袋に入れて涼しい場所や冷蔵庫の野菜室に入れましょう。鮮度が大切なので、なるべく早く塩漬けや料理に使いましょう。常温だと1週間。冷蔵庫だと1〜2週間が目安です。冷凍保存は風味が落ちておすすめできませんが、水気を切り袋に入れると約1ヶ月程日持ちします。
野沢菜とツナの焼きうどん
(残り野菜を使い切るのにもオススメです)
材料|4人分(塩分量1.9g)
- うどん・・・・4玉
- 野沢菜漬・・・・80g
- ツナ(フレーク缶)・・・・80g
- キャベツ・・・・360g
- シメジ・・・・160g
- ニンジン・・・・60g
- 油・・・・大さじ2
- しょう油・・・・大さじ1
- 塩・・・・少々
野沢菜とツナの焼きうどん|作り方
- 野沢菜漬は、5mm幅の小口切りにする。キャベツは、食べやすい大きさの一口大に切る。
- シメジは、石づきを切り落とし、1本ずつほぐす。ニンジンは、太さ2mmの細切りにする。
- 調理しやすいよう、2人分ずつ作る。うどんは、2玉分を袋の表示に従ってゆで、ゆでている間に具を炒める。
- フライパンに油(大さじ1)を入れて温め、ニンジン、シメジ、キャベツを、半分量ずつ順に炒めて火を通す。
- (4)に、 野沢菜漬とツナを半分ずつ加え、炒め合せる。うどんがゆであがったら、しっかりと水気を切って加える。
- (5)にしょう油(大さじ1/2)を振り入れて全体に絡め、2等分して盛り付ける。残りも同様に作る。