ごぼう

きんぴらごぼうや天ぷら、煮物など、日本の食卓に欠かせないキク科ゴボウ属の「ごぼう」。
原産国はユーラシア大陸北部と言われ、中国やヨーロッパでは、古くから薬草として用いられていたそうです。日本へは、平安時代に中国から薬草として伝わった説がありますが、縄文時代の遺跡からごぼうの種子が出土していることから、もう少し早く伝わっていたのかも知れません。

ごぼうの旬は品種によりますが、関東を中心に栽培されている滝野川ごぼうは、晩秋から冬が旬になります。スーパーに並ぶ一般的な長いごぼうです。また初夏にかけて収穫される新ごぼうは、柔らかくて香りが良く、また違った味わいがあります。季節を通じて、異なる食感や香りを楽しむことができます。

主な生産地は青森県です。その次に茨城県や北海道が続き、この3地域で全国の半分以上を生産しています。

美味しいだけではなく、薬草として伝わったことからも、体に嬉しい食材です。食物繊維が豊富なので、整腸作用や便秘解消、また産後の滋養食や腎臓病や盲腸炎など、様々な目的で食されている、日本人にとってありがたい食材の一つです。

ごぼうの栄養成分


・食物繊維
水溶性と不溶性食物繊維を豊富に含む。水溶性食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑え、また腸内環境を整え、さらにはコレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。不溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸収し膨らみ、腸を刺激し便通を促します。

・イヌリン
水溶性食物繊維に含まれる炭水化物の一種。小腸で糖分を吸収しにくくし、血糖値を改善する働きから糖尿病の予防にも効果的です。またビフィズス菌の成長を促すことで、老廃物の排出や整腸効果が期待されます。

・リグニン
不溶性食物繊維の一種。腸内にある発ガン性物質に吸着し排出する働きをすることから、大腸ガンの予防に効果的と言われます。

・ミネラル類
カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを多く含みます。歯や骨など体の組織を作るのに必要な成分がミネラルです。筋肉の働きを調整し、体内酵素の働きも助けてエネルギーを生産してくれます。

ごぼうの選び方・保存方法


・選び方
日持ちがするので土がついているもを選びましょう。先まで均一な太さがありひげ根が少ないもの、そしてしっかりと固さのあるものが良いでしょう。

・保存方法
泥付きの場合は、そのままの状態でキッチンペーパーや新聞紙などに包み冷暗所に立てて、1週間程でいただきましょう。土が洗われているものは、ラップなどに包み野菜室に入れて2〜3日で調理してください。時間が経過することで風味が落ちるので早めに食すのが良いでしょう。

蕎麦すいとんの鶏ごぼう鍋
(香り高いソバのすいとん。具沢山で作ってみましょう)


蕎麦すいとんの鶏ごぼう鍋

材料|4人分(塩分量1.5g)

  • 鶏モモ肉・・・・200g
  • ゴボウ・・・・70g
  • カボチャ・・・・80g
  • ナバナ・・・・60g
  • ニンジン・・・・50g
  • 白ネギ・・・・40g
  • 油揚げ・・・・1枚
  • 粉山椒・・・・少々

  • 鶏ガラスープの素・・・・小さじ2
  • 水・・・・700cc
  • ゴマ油・・・・小さじ2
  • 塩・・・・少々

  • そば粉・・・・40g
  • 小麦粉・・・・10g
  • 水・・・・大さじ2.5強

蕎麦すいとんの鶏ごぼう鍋|作り方

  1. 鶏肉は食べやすい大きさのそぎ切りにする。ゴボウはささがきに切って、水にさらしておく。油揚げは湯にとおして油抜きをしてから、5mm厚に切る。
  2. カボチャとニンジンは、5mm厚の食べやすい大きさに切る。ナバナは4cmの長さに切り、葉と軸部に分けておく。白ネギは縦半分に切ってから、1cmの長さに切る。
  3. 鍋にゴマ油を入れて熱し、白ネギを炒める。白ネギが透明になってきたら、水、鶏ガラスープの素、塩を加えてスープを作る。
  4. ボウルに、そば粉と小麦粉を合わせてふるい入れ、耳たぶほどの硬さになるように、水を加えながらよく練る。水の量は様子を見て加減する。まとまったら、16等分しておく。
  5. 一人用の土鍋に、水気を切ったゴボウ、ナバナの葉部以外の野菜と鶏肉、油揚げを、それぞれ4等分して入れる。スープの1/4量を注ぎ、蓋をして火にかける。
  6. 沸騰してきたら、(4)の一人分4つずつを丸めながら加え、ナバナの葉部を入れて再び蓋をする。全ての材料に火が通ったら、出来上がり。お好みで粉山椒をふっていただきます。
  7. 蕎麦すいとんの鶏ごぼう鍋