帆立貝
冷凍物を含め一年を通し食卓で楽しむことができる「帆立貝」。生でも、火を通しても美味しくいただけるので、子供から大人まで大人気の食材です。
日本で食される帆立貝は、二枚貝網イタヤガイ科の軟骨動物に分類されます。寒海性の貝で、主に三陸海岸以北の20〜30m程の浅瀬で植物プランクトン等を食べて生息しています。成長は、孵化(ふか)してから4〜5年で12〜13cmまで育ち、寿命は約10年といわれます。殻の表面には、「成長輪」と呼ばれる模様と波状のでこぼことした起状「放射肋(ほうしゃろく)」があり、この形状を見ると何年物かがわかります。生産地は、天然物が北海道、養殖物が青森で占めています。
普段は海底で少し殻を開けてジッとしていますが、貝や魚を好物とするヒトデ等の外敵に襲われないように殻を開閉しながら勢いよく泳ぐこともできます。
帆立貝の旬は、冬と夏の2回あります。冬の帆立貝は、春の産卵に向けて卵が大きく育ち、うま味成分が濃くなります。ただ貝柱は卵が成長するのと比例して少し小さめというのが特徴です。また夏の帆立貝は、甘みが強く、貝柱が大きく成長するので食べ応えも抜群です。旬毎に異なる帆立の味わいを感じることができます。
近年、天然だけではなく養殖技術の向上に伴い、高品質な帆立貝を年中食べられるようになりました。そして国内だけではなく輸入物もあり、さらに時期に関係なくいつでも購入できるようになりました。
帆立貝の栄養成分
・タウリン
血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、血圧を正常に保ちます。また肝機能を高め、生活習慣病に対しても高い効果があります。帆立貝100〜150gで、大人一日に必要な量を摂取できます。
・ビタミンB12
神経機能を健康に保ち正常な赤血球産生やDNAの合成を促します。また末梢・中枢神経の回復や機能維持に関与するため、睡眠障害の改善効果があります。
・葉酸
ビタミンB群の水溶性ビタミン。ビタミンB12と共に赤血球を造る働きがあり、さらにはDNAやRNAなどのタンパク質や核酸の合成を促進します。正常な細胞の増殖を助ける働きがあるので、妊娠前後の女性にとって、胎児の成長に必要不可欠な栄養素です。
・亜鉛
味覚を正常に保つ役割を果たし、髪や肌の健康維持、アンチエイジングや生活習慣予防にも効果が期待されています。人体に必要とされる必須ミネラル16種類の中の一つです。
帆立貝の選び方・解凍方法
・選び方
殻付きの場合、生きている事が前提条件になります。触った瞬間に少し開いた殻が閉じるものが新鮮な証拠です。殻が閉じたままのものは死んでいる可能性があるので注意しましょう。中身は貝柱が大きいもので外套膜(がいとうまく)が殻の縁近くまで広がっているものを選びましょう。また卵を味わいたい場合は、雌を選びましょう。生殖巣が白っぽいものが雄で薄いオレンジ色のものが雌となります。
・解凍方法
生の物が手に入らない場合は冷凍物が便利です。冷凍物を美味しくいただくには上手に解凍する必要があります。小さじ1程度の塩を入れた氷の上に冷凍帆立貝を並べ、ラップをして常温で5時間程で冷凍とはわからない位に美味しくいただけます。または冷凍庫から冷蔵庫に移して半日程かけてゆっくりと解凍するのが良いでしょう。
ホタテ貝柱のトマトドレッシング
(さっぱりとした甘口のドレッシングです)
材料|4人分(塩分量0.6g)
- ホタテ貝柱・・・・200g
- トマト・・・・1/2個(70g)
- ショウガ・・・・1かけ
- ミリン・・・・大さじ2
- しょう油・・・・小さじ1
- ディル・・・・適量
ホタテ貝柱のトマトドレッシング|作り方
- トマトは皮をむいて、小さめの乱切りにする。
- ショウガはすりおろし、ミリン、しょう油、トマトと混ぜあわせてドレッシングを作る。
- ホタテ貝柱は、2等分にそぎ切りにする。
- ガラス皿にホタテ貝柱を並べ、中央にトマトのドレッシングをかける。仕上げにちぎったディルを添える。