デコポン
果肉は柔らかく甘味が強い、2〜4月に旬の時期を迎える「デコポン」。見た目はオレンジやみかんに似ていますが、ポンカンの改良種です。先端(果梗部)に突起のような「デコ」ができることからこの名で呼ばれています。本来の品種は「清見オレンジ」と「中野3号ポンカン」を交配して作った「不知火(しらぬひ)」という柑橘類です。
デコポンは熊本県不知火地方の特産品として登録商標されています。さらにデコポンという名は、不知火の中でも糖度が13度以上でクエン酸1%以下という品質をクリアしたものだけが使用でき、流通することができます。またバランス良く美味しいだけではなく、ビタミンCの含有量がみかんの約1.6倍で栄養価もとても高いのも特長です。
栽培方法は、ハウス栽培、露地栽培、完熟型とあり、ハウス型は12〜2月、露地栽培は2〜5月、完熟型は収穫後じっくり追熟させて「完熟デコポン」として4月頃流通します。
デコポンの栄養成分
・ビタミンC
水溶性の栄養素。コラーゲン生成やメラニン生成を抑えるなど美肌効果が期待できます。また抗酸化効果が高く老化やがんの原因となる活性酸素を取り除き、鉄の吸収を助ける作用があります。
・クエン酸
有機化合物でヒドロキシ酸の一つ。代謝を高める効果があり、疲労回復や血流改善効果、免疫力向上、成人病予防などに効果があると言われています。
・カリウム
ナトリウム(塩分)の排出を促してくれる働きがあり、高血圧や動脈硬化の予防に効果的なミネラル。筋肉の収縮や神経伝達をサポートするなど、生命維持に欠かせない栄養素です。
・β-クリプトキサンチン
「カロテノイド」と呼ばれる成分の一種です。体内蓄積期間が他のカロテノイドより長く、血液により体の隅々まで届けます。 柑橘系を食べると手が黄色くなる、という色素成分です。
デコポンの選び方・保存方法
・選び方
皮に張りと艶があり、色が濃く鮮やかでクスミのないもの、手に取るとずっしりと重みがあるものを選びましょう。またヘタの膨れ具合や形は、味に影響しないので、気にしなくても大丈夫です。
・保存方法
冷暗所で保管できますが、気温が高い場合は冷蔵保存に切り替えてください。果肉の水分が失われると味や鮮度が落ちやすくなるので、ビニールなどに包み乾燥防止は必須です。ひとつずつ袋に入れて保存すると2週間程保管できます。薄皮だけにして身をひとつずつにわけジップ付きの袋に入れて冷凍保存も可能です。シャーベットのように楽しめます。
タコとデコポンのハーブビネガードレッシング
(フルーティーな前菜にどうぞ)

材料|4人分(塩分量0.2g)
- ゆでダコ(刺身用)・・・・120g
- デコポン・・・・1個
- クルミ・・・・15g
- ケッパー・・・・大さじ1
- エストラゴン(タラゴン(生)・・・・5cm
- セルフィーユ(チャービル(生)・・・・適量
- [ハーブビネガー]
- ローズマリー(生)・・・・5cm×2本
- 白ワインビネガー・・・・大さじ2
タコとデコポンのハーブビネガードレッシング|作り方
- ハーブビネガーを作る。ローズマリーを、フライパンで焦がさないよう乾煎りし、白ワインビネガーに1時間ほど浸けておく。
- タコは薄くそぎ切りにする。クルミは、大きいものは粗く砕いて、フライパンで乾煎りする。
- デコポンは皮をむいて、実だけ取り外し、細かくほぐす。エストラゴンは、葉を軸からはずし、細かいみじん切りにする。
- ボウルに、(1)のハーブビネガー、(2)のクルミ、(3)のデコポンとエストラゴンを入れて混ぜ、ケッパーとタコも加えて絡める。
- 4等分にして器に盛り付け、それぞれにセルフィーユを飾ってできあがり。

※白ワインビネガーが無ければ、他の果実酢で代用しても良いでしょう。