オクラ
オクラは非常に歴史の古い野菜で、エジプトでは紀元前2世紀からすでに栽培されていたといわれています。本来オクラは多年草ですが、冬のある日本では一年草で、夏が旬です。日本に渡来したのは江戸時代末期ですが、当時はヌメッとした青臭い食感が日本人には好まれなかったようです。本格的に普及しはじめたのは1965年ごろ。栄養価が高い野菜として、今では食卓に欠かせない食材となっています。
オクラの栄養価
・ムチン
オクラのぬめり成分は、ムチンと呼ばれるタンパク質と糖が結合したものです。内臓の粘膜や肝臓、胃腸を保護してくれます。また、タンパク質分解酵素も含まれるため、タンパク質を効率的に吸収することができます。
・食物繊維
オクラのぬめり成分には、ガラクタン、アラバン、ペクチンといった食物繊維も含まれています。整腸作用やコレステロールを減らす作用があり、便秘を防いで大腸ガンを予防する効果があるといわれています。特にペクチンは血糖値の上昇を抑える効果もあり、糖尿病の予防に役立ちます。
・β-カロテン
β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれる栄養です。抗酸化作用や免疫賦活作用(免疫を活性化させる作用)があるといわれています。また、必要に応じて体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持したり、視力を維持したり、喉や肺などを守る働きがあるといわれています。
・カリウム
オクラにはカリウムがたくさん含まれています。カリウムにはナトリウム(塩分)を排泄する働きがあり、高血圧に効果があります。また、神経の伝達や筋肉の機能調節にはたらきかけるので、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防いでくれます。
・カルシウム
カルシウムは、丈夫な骨と歯をつくるためには欠かせないミネラルです。カルシウムは単独でとるよりも、ビタミンDやマグネシウムとあわせてとることで、効率よく体内に取り込むことができます。
そのほかオクラには、鉄、ビタミンC、ビタミンB1などが含まれています。疲労を回復し、免疫力を高め、胃の粘膜を保護し、消化を助けてくれるので、夏バテ解消にはもってこいの野菜といえるでしょう。
オクラの選び方・保存方法
緑色が鮮やかなもの、表面が白い産毛で覆われているものを選びましょう。しなびたり黒くなっているものは収穫から時間が経っているものです。
オクラは低温に弱いので、冷蔵庫で長く保存しないようにしましょう。新聞紙などで包んで冷やしすぎないようにしたり、すぐに使わない場合は冷凍保存がおすすめです。
卵豆腐のオクラとろろ
材料|4人分(塩分量1.7g)
- [卵豆腐]
- 卵・・・・3個
- 出し汁・・・・1カップ
- みりん・・・・大さじ1
- 酒・・・・大さじ1
- 薄口しょうゆ・・・・大さじ1
- [オクラとろろ]
- オクラ・・・・1パック(55g)
- 出し汁・・・・1/2カップ
- 酒・・・・小さじ1
- みりん・・・・小さじ1
- 薄口しょうゆ・・・・小さじ2
- 塩・・・・少々
- (お好みで)イクラ、ウニ、明太子、柚子
卵豆腐のオクラとろろ|作り方
- ボールに卵をほぐし、だし、みりん、酒、薄口しょうゆを加える。
- 裏ごしし、流し缶に入れ、表面の泡を除く。
- 蒸し器のお湯を沸騰させ、蒸気が出たら(2)を入れ、中火以下で10~13分蒸す。
- オクラに振り塩をして軽くこすって表面の毛を取り、さっとゆがいて冷やす。
- 冷ましたオクラを包丁で刻むかミキサーでとろろ状にし、だし、酒、みりん、薄口しょうゆで味をととのえる。
- 4等分した卵豆腐に(5)をかけ、お好みでイクラ、ウニ、明太子などを天盛りにし振り柚子で仕上げる。