ハマグリ

ハマグリは、淡水の流れ込む内海の砂泥底に生息しています。環境の変化に弱く、水質が悪くなると、引き潮に乗って場所を移動します。形が栗の実に似ていて、浜辺に生息していることから浜栗という名前になったといわれています。ハマグリは対の貝がぴったりと合わさることから、夫婦の縁起物でもあります。結婚式はもちろん、ひな祭りに食べると良縁を招くとされ、お祝いの席に欠かせない食材となっています。産卵のために栄養を蓄える2月〜4月が旬です。

ハマグリと呼ばれるものには、ハマグリの他にチョウセンハマグリ、シナハマグリがあります。ハマグリは干拓や埋め立て、護岸工事などによって数が激減し、国産のものは一部の地域でしか獲れなくなっています。日本国内で流通しているほとんどはシナハマグリで、中国や韓国から輸入されている外来種です。チョウセンハマグリは朝鮮のハマグリという意味はなく、外海に生息する日本の在来種です。ハマグリに似ていますが、より三角形に近く、大型で殻も厚くなっています。また、最近ではホンビノスガイという貝が白ハマグリとして流通しています。

ハマグリの栄養価

・タウリン
血圧やコレステロールを下げ、肝機能を高め解毒作用を促進する働きがあります。

・鉄
鉄は、血液に含まれるヘモグロビンの合成に必要なミネラルで、体の各器官に酸素を運ぶ働きがあります。貧血の予防や改善に効果的です。

・ビタミンB12
動物性食品に含まれる水溶性のビタミンです。ビタミンB12は、葉酸と働きあい、赤血球を作り出す役割があります。また、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ役割もあります。

ハマグリの選び方・保存方法

殻につやがあり、大きすぎず持った感じがどっしりと重みのあるものを選んでください。貝どうしをたたき合わせて、その音が澄んだ音であれば質のいいものです。保存する際は、砂抜きをし、塩水につけた状態でラップをして冷蔵保存するか、洗って水気を切り、保存袋に入れて冷凍で保存します。

ハマグリと人参白玉のお吸い物

材料|4人分(塩分量1.6g)

  • ハマグリ・・・・8個
  • ワケギ・・・・1本
  • だし汁・・・・720cc
  • 酒・・・・大さじ2
  • しょう油・・・・小さじ1
  • 塩・・・・一つまみ
  • 白玉粉・・・・20g
  • ニンジン・・・・20g
  • 水・・・・小さじ4

ハマグリと人参白玉のお吸い物|作り方

  1. ハマグリは塩水につけて、砂抜きしておく。
  2. ニンジンはおろし金ですりおろす。白玉粉にニンジンを混ぜ合わせ、水を小さじ1ずつ様子を見ながら加え、耳たぶほどの硬さになるようにこねる。(ニンジンの水分量によって、水を加える量は変わります)
  3. 鍋に湯を沸かし、(1)の生地を直径1cmに丸め、茹でる。浮き上がってきたものから氷水につけ、ザルに上げて水気を切る。
  4. ワケギは沸騰した湯でさっとゆがく。長さを半分に切り、2本重ねて結び目を等間隔に4つ作ってから、4等分に切る。
  5. ハマグリの殻同士をこすり合わせ、汚れを落とす。鍋にだし汁とハマグリを入れて強火にかけ、沸騰したら火を弱めて煮立てる。ハマグリの口が開いたらすぐに取り出し、4つだけ殻から身をはずしておく。
  6. 鍋のアクをすくい取り、酒、しょう油を加える。(3)の白玉とハマグリを加え、温まったら火を止める。
  7. 汁椀に白玉を4等分して盛り分ける。ハマグリは殻付きの身の上に、殻から外した身を1枚重ねて盛り付け、上にワケギを添える。4等分して汁を注ぐ。