讃岐うどん(香川県)

日本の郷土料理「讃岐うどん(香川県)」|食育大事典

讃岐うどん(香川)

自らの町を「うどん県」と名乗り、県民一人あたりのうどん消費量が全国平均の4倍(約230玉)を誇る程のうどん文化が根付く香川県。香川県で愛されている讃岐うどんの特徴は、なんと言っても「麺のコシの強さ」。“麺のコシ”とは、モチモチとした弾力と粘りがある、そして伸ばすと伸び、離すと縮むような、力強く噛み応えがありつつ、でも硬くはない、喉越しの良い麺ということ。硬さを決める“水分量(加水率)”と、グルテンを引き締める“塩分濃度”、さらにグルテンを活性化させて粘りのある生地を作る為の“足踏み(鍛え)”など、香川県ならではの製法で麺のコシは作られています。さらに茹でる際にしっかり糊化(アルファ化)させる事でとろみと粘り気を生み出しているのです。

讃岐うどんの歴史

香川県で生まれた平安時代の僧侶である弘法大師(別名:空海)が広めたと言われています。弘法大師が30歳頃に密教を学ぶ為に、遣唐使として唐(現在の中国)に渡りました。20年かけて勉強する予定が2年でマスターをして日本に帰国。弘法大師は、密教だけではなく、農業や土木の技術、平仮名、曜日、小豆、高野豆腐などを持ち帰り、その中の一つに学んだ土地で食べられていた「うどん」があったそうです。当初は、小麦粉を丸めた団子状で、現在の麺の形体になったのは、室町時代頃と言われています。温暖かつ、雨も少ない瀬戸内海式気候である香川県では、うどん作りに必要な材料である小麦・塩・醤油・煮干し(いりこ)が全て手に入る環境だったので、うどん文化が広まっていきました。

讃岐うどんの豆知識

讃岐うどんの食べ方は様々です。定番の「かけうどん」だけではなく、様々な食べ方があります。「ぶっかけうどん」「生じょうゆうどん」「ざるうどん」「釜あげうどん」「釜玉うどん」「湯だめうどん」「しっぽくうどん」「打ち込みうどん」などなど。そして麺や出汁の温かなものから、冷たいものまで、楽しむことができます。

薬剤師の食育コメント

小麦粉の70%前後は炭水化物で、生命維持に必要なエネルギー源となります。小麦粉に含まれる植物性のタンパク質には、必須アミノ酸のひとつであるリジンが不足しています。パンや麺などは、肉や魚、卵などと一緒に食べることでお互いに不足している栄養素を補い合うことができるため、小麦粉の食品は主食に適していると言えるのです。

食育大事典の郷土料理

讃岐うどん(釜玉うどん)の作り方

讃岐うどん(香川)

郷土料理材料材料|4人前

  • 中力粉・・・・400g
  • 塩・・・・23g
  • 水・・・・177g
  • 強力粉(打ち粉)・・・・適量
  • 麺つゆ・・・・適量
  • 青ねぎ・・・・適量
  • 生卵・・・・1人に1個

郷土料理調理ステップ調理ステップ

  1. 塩と水をボールに混ぜ合わせて塩水を作ります。(冬場はぬるま湯で)
  2. 厚手のビニール袋に中力粉を入れてから塩水を全て加えます。空気を含ませて袋を閉じ5分程度振ります。
  3. 粉がそぼろ状になったら、袋の上から一まとめの団子状にします。
  4. 袋に入れたまま(袋の口は開ける)新聞紙などで挟み込み、その上から足で20回踏みます。
  5. 生地が広がったら、袋の中で折り畳み、再度団子状にします。(20回踏む→たたむを4回繰り返す)
  6. 生地を団子状にまとめて、常温で置きます(ビニール袋の口を閉じて)。夏1時間、冬 2〜3時間程度。
  7. 大きめのまな板に打ち粉を振り、生地を置き、できるだけ四角くなるように厚さは3mm程度に麺棒で伸ばします。
  8. 生地の表面に打ち粉を振り、びょうだたにする。(山折りと谷折りを繰り返すイメージ)
  9. 生地を端から包丁で3mm幅に切っていきます。すぐに茹でない場合は、麺をほぐし打ち粉をふっておきましょう。
  10. 大きな鍋にお湯を沸騰させた中に入れて約10分茹でます。(うどん100gあたり水1L以上)
  11. 茹で上がれば、すぐ冷水にさらします。麺をこするように洗ってぬめりをとるとツルツル食感になります。
  12. うどんを器に盛り、その上に生卵、青ねぎを散らして、麺つゆや醤油をかけていただきましょう。
  13. ざるうどんやぶっかけで食べる場合はそのまま器に盛りましょう。かけうどんなど温かくする場合は、数秒お湯で湯がきましょう。

※ 準備する用具:厚手のビニール袋(厚さ0.03~0.05mm)1枚、新聞紙、麺棒(長めが使いやすい)
※ 生地を麺棒で伸ばす際、麺棒に巻きつけながら押さえると早く伸ばすことができます。薄く均等に伸ばすことが重要です。
※ お好みで天かすを入れるのも美味しいですよ。