カツオのたたき(高知県)
カツオのたたきとは、カツオの表面を藁で炙ってから少し厚めに切り、塩を振り、軽く叩くという独特の調理法を用いた、高知県の郷土料理です。最後の叩くと言う調理方法が、「たたき」という名前の由来となっています。藁で炙ることで風味が良くなり、皮が香ばしくなります。さらに塩をつけ叩く事で、生臭さがなくなり、身が引き締まり、旨味が凝縮するのです。玉ねぎやネギ、ミョウガ、大葉、おろし生姜、薄切りのニンニクなどの薬味は、美味しさだけではなく、鮮度が落ちやすいカツオの臭み消しと、殺菌・防腐効果の為にも添えられています。
カツオのたたきの歴史
カツオは高知県の県魚という事もあり、昔から日常的に食べられている食材です。保存技術がない時代に漁師が船上で少し鮮度が落ちたカツオを美味しく食べる為に生み出された調理方法が、一般家庭にも広まっていったと言われています。高知県の中でも地域により、調理法や薬味などのアレンジ方法が違うそうです。
カツオのたたきの豆知識
- 空洞になっている藁に火をつけることにより一気に燃え上がり高温になります。その炎で炙る事によりカツオの表面だけを一瞬で焼く事ができ、旨味を閉じ込める事ができるのです。
- 高知県での冠婚葬祭や神事に欠かせない皿鉢料理の定番です。
- 高知県では、たたきだけでなく、カツオのたたきを巻いたお寿司「土佐巻き」など、料理のアレンジが多数存在します。
薬剤師の食育コメント
カツオには吸収率の高い動物性のヘム鉄が含まれており、貧血予防に効果的です。鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、体内への吸収率に差があります。
フライパンで作るカツオのたたきの作り方
材料|2人前
- カツオ(柵)・・・200g
- 油・・・大さじ1/2
- ポン酢・・・大さじ2
- 生姜・・・1片
- にんにく・・・1片
- ねぎ・・・適量
- 大葉・・・2枚
【薬味】
調理ステップ
- フライパンで油を熱したら、カツオを皮目から全面に中火で焼き色をつけていきます。
- 焼き目が付いたら、フライパンから取り出します。粗熱が取れてから1cm幅に切っていきます。
- 生姜は千切り、ネギは小口切り、にんにくは薄切りにします。
- お皿に大葉を敷き、その上にカツオ、さらに薬味を散らして出来上がりです。カツオと薬味をポン酢につけていただきます。
※ カツオに焼き目を付ける際、フライパンはしっかりと熱してから、こんがりと焼きましょう。
※ 薄切り玉ねぎを添えても美味しいです。