いか人参(福島県)

日本の郷土料理「いか人参(福島県)」|食育大事典

いか人参(福島県)

いか人参は、するめいかと人参を細切りにして、醤油と砂糖(ざらめ)の甘辛いタレに漬けた福島県の郷土料理です。北海道の松前漬けとよく似ていますが、いか人参には松前漬けに入っている昆布が入りません。雪の多い地域の冬の保存食として作られ始め、今もなお惣菜として食べられています。

いか人参の歴史

100年以上前から福島市を中心とする北部地域で、食べられていたと言われています。江戸時代後期に福島県の会津地方から北海道の松前藩に国替えになった保科正之公が、いか人参に特産の昆布を入れて松前漬けを作ったとも言われています。
最近では、かき揚げや炊き込みご飯としてアレンジレシピで食卓に並んだり、また、いか人参味のポテトチップスが販売されたりと、愛され続けています。

いか人参の豆知識

  • 物流が豊かでない頃、福島県の山間の地域では、新鮮な海の食材が届きにくい土地柄である事から、保存ができる魚介の乾物を使う料理方法が多く生み出されました。その当時の貴重なタンパク源として重宝されていたのですね。
  • サラダの具材や和風パスタ、お好み焼きに入れたりなど、いか人参のアレンジレシピの様々なバリエーションが紹介されています。

    薬剤師の食育コメント

    するめいかは高たんぱく質、低脂肪、低カロリーでアミノ酸のひとつであるタウリンが豊富です。胆汁分泌を促し、コレステロールを排出する働きをし、肝機能の調整や疲労回復にも効果があります。人参にはカロテンやビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、鉄分などが含まれています。カロテンは身体の中で必要なだけビタミンAに変換されて皮膚や目を守り、感染症を防ぎます。残りのカロテンは抗酸化作用があり、動脈硬化や老化防止、がんを予防するといわれています。

    食育大事典の郷土料理

    いか人参の作り方

    いか人参の作り方

    郷土料理材料材料|2人前

    • にんじん・・・1本
    • するめソーメン・・・40g
    • 赤唐辛子・・・少々
    • 酒・・・大さじ2
    • みりん・・・大さじ3
    • しょうゆ・・・大さじ2

    郷土料理調理ステップ調理ステップ

    1. にんじんは皮を剥いて3等分にし、細切りにします。
    2. 鍋に酒、みりん、醤油、赤唐辛子を入れてひと煮立ちさせ、アルコールを飛ばします。
    3. ボウルににんじんを入れて、2を熱いうちに注ぎ入れます。
    4. するめソーメンを加えて、全体をよく混ぜ合わせます。
    5. 保存容器に入れて、冷蔵庫でひと晩置いたら完成です。

    ※ お酒のおつまみにもぴったりです!