横須賀海軍カレー(神奈川県)
小学校の給食や家庭で人気のメニュー「カレーライス」。そのルーツは、海軍のカレーと言われています。横須賀海軍カレーは、日本海軍で調理されていた軍隊食のレシピが記載された明治41年発行の「海軍割烹術参考書」に記載された調理法です。海軍にゆかりの深い神奈川県横須賀市の地域活性化として「カレーの街」にちなんだ街おこしが1999年(平成11年)に行われたの横須賀海軍カレーとしての始まりです。
横須賀海軍カレーの歴史
明治時代、白米中心の食生活からのビタミンB1欠乏で生まれる脚気症状の深刻な問題を解決する為に、当時イギリス海軍で提供されていたカレー風味のシチューに、ご飯に合わせ、また揺れる船上でこぼれにくいようにと、とろみをつけた、現在のカレーの元となるレシピが生まれました。それを食べていた兵士により全国にこのカレースタイルが広まっていきました。
横須賀市には横須賀海軍施設があり、その街の大晦日のカウントダウンイベントで海上自衛隊が来場者に無料で振る舞っていたカレーが大行列ができる程の人気だった事から、このカレーを街おこしに活用しようとプロジェクトが立ち上がり、人気のご当地グルメとなりました。
横須賀海軍カレーの豆知識
- 横須賀海軍カレーを食べる時は、サラダと薬味としてのチャツネ、そして牛乳とセットで食べるのが決まり!?
旧日本海軍でビタミン欠乏症の一種である、足がむくんだりしびりたりする脚気が流行った時期があり、栄養バランスを考慮して、カレーと一緒にこれらが提供されるようになりました。横須賀海軍カレーもそれにならい提供されています。 - 金曜日はカレーの日!?
海上自衛隊では、毎週金曜にカレーライスが食べられています。長く続く海の上での勤務は、景色が変わらない。さらに勤務体制もバラバラのため、曜日感覚がなくなる、という事を防ぐ為、金曜にカレーを提供する習慣が生まれたそう。また横須賀市でも金曜日をカレーの日として、大盛りや割引などのサービスをするお店があるそうです。
薬剤師の食育コメント
ミネラルの一種である銅、骨の形成や糖質と脂質の分解の関わるマンガン、糖質や脂質の分解をサポートし、貧血予防に効果的なモリブデン、脂肪の燃焼を促すカプサイシンが大きな栄養素です。
日本海軍ではビタミン欠乏症の一種である脚気に悩まされており、栄養不足を解消するために明治17年「兵食改革」を実施しました。帝国海軍はイギリス海軍を参考に兵食の改革に取り組み、その一つとして肉、野菜などをバランスよく食べることができるカレーが採用されました。
横須賀海軍カレーの作り方
材料|2人前
- 牛肉・・・200g
- じゃがいも・・・250g
- 玉ねぎ・・・300g
- 人参・・・15g
- トマト・・・150g
- 油・・・大さじ1
- 水・・・550ml
- 小麦粉・・・大さじ1
- バター・・・24g
- コンソメ・・・10g
- 塩・・・小さじ1/2
- トマトケチャップ・・・大さじ1
- ガラムマサラ・・・小さじ1
- カレー粉・・・大さじ2
- コショウ・・・少々
- ウスターソース・・・小さじ1
- レッドペッパー・・・小さじ1
調理ステップ
- 牛肉を一口大に切り、軽く塩コショウ(分量外)をし、小麦粉とカレー粉をまぶします。
- じゃがいもは皮を剥いて、一口大の大きさにカットしてから、水にさらした後、水気をしっかり取り除きます。
- 人参と玉ねぎ、トマトも一口大に切っておきます。
- フライパンに油を入れて温め玉ねぎを飴色になるまで炒め、取り出しておきます。
- 同じフライパンにバターを入れて、中火で牛肉を全面に軽く焦げ目が付くように焼きます。
- 牛肉に焼き目が付いたら、じゃがいもと人参も加え、全体的に油が回ったら、飴色の玉ねぎも加えます。
- フライパンに固形コンソメと水を入れ、沸騰したらアクを取り除き、さらにトマトを入れ、弱火で20分程度煮込みます。
- 塩コショウ、トマトケチャップ、ウスターソースを入れさらに煮込みます。
- ご飯の上にルーをかけ、お好みでガラムマサラとレッドペッパーを適量加えてできあがりです。