塩あんびん(埼玉県)

日本の郷土料理「塩あんびん(埼玉県)」|食育大事典

塩あんびん(埼玉県)

塩あんびんは、砂糖ではなく塩で味付けをした小豆あんを餅で包んだ、埼玉県北部から東部にかけての地域に伝わる郷土料理。小豆と餅米本来の甘みを塩が引き立てた味わいが特徴です。この辺りの地域では、現在でも新米収穫のお祝いや、桃の節句や子どもの誕生日などのお祝いの席で子ども成長を祝福するために食べられています。

塩あんびんの歴史

江戸時代中期当時、砂糖は希少で高価なものであり、庶民には手が届きませんでした。砂糖が手に入らない代わりに塩を用いて小豆の餡に味付けをしたのが始まりと言われています。埼玉県利根地域の久喜市、加須市そして行田市などでは古くから食べられ、今でもその近辺の和菓子屋で販売されています。

塩あんびんの豆知識

  • あんびんを漢字で書くと「塩餅」になります。また、あんぴんと呼ばれる事もあるそう。
  • 塩分が取れる事から熱中症予防として取り上げられ、注目を浴びた塩あんびん。夏バテで食欲が落ちる時の捕食や間食にもピッタリです。
  • 近年では、生地に砂糖をまぶす食べ方が一般的ですが、生地を焼き砂糖醤油や蜂蜜に付けて食べたり、また雑煮や味噌汁にそのまま入れたりと、様々な食べ方で楽しまれています。

    薬剤師の食育コメント

    小豆には大豆に含まれていない「アントシアニン」という栄養素が含まれています。抗酸化作用があり血液の流れを良くしてくれる効果が期待でき、またカリウムが含まれ、むくみの改善にも効果的です。

    食育大事典の郷土料理

    塩あんびんの作り方

    塩あんびんの作り方

    郷土料理材料材料|4人前

    • もち米・・・7合(1kg)
    • キャベツ・・・1枚
    • 小豆(煮たもの)・・・3合
    • 塩・・・30g
    • 砂糖・・・お好みで

    郷土料理調理ステップ調理ステップ

    1. 餅米を一晩水に浸けておきます。
    2. やわらかく煮込んだ小豆の中に塩を入れた後、よく練り込んで塩あんを作ります。
    3. 1の水をしっかり切ってから、約1時間蒸します。
    4. 蒸した餅米を、餅つき機でつきます。
    5. 一個分の大きさに分けた餅を平たく伸ばして、その中央に塩あんを入れ包み込み、丸くそして少し平たくしたあんびんの形に整えてできあがりです。お好みで砂糖などの甘味を足してください。

    ※ フライパンやトースターで餅の両面に軽く焼き色をつけて、砂糖や蜂蜜をかけて食べるのがおすすめです!