治部煮(石川県)

日本の郷土料理「治部煮(石川県)」|食育大事典

治部煮(石川県)

石川県金沢市の伝統料理である加賀料理の一つ「」。農林水産省選定の農村漁村の郷土料理百選に選ばれている、江戸時代から武家や庶民の間で親しまれ、今もなお石川県を中心に愛され続ける煮物です。

鴨肉などの肉類と、竹でできたすのこに小麦粉の生地を挟んで作るすだれ麩、そして季節の野菜やきのこ類を出し汁で煮込みます。鴨肉に小麦粉をまぶして煮込むので、とろみがあるのが特徴です。わさびを薬味で添えていただきます。

治部煮の歴史

石川県の能登や加賀の山村で捕獲できる鴨などの野鳥を用いて作られたのが始まりで、江戸時代から武士のもてなし料理だったと言われています。発祥には様々な説がありますが、豊臣秀吉の兵糧奉行として従事した岡部治部右衛門が朝鮮から伝えたという説、キリスト教の宣教師が伝えたポルトガル料理を日本風にアレンジした説、漂流したロシア人が伝えたという説、フランスのジビエ料理が関係している説など、があります。

治部煮の豆知識

  • 名前の由来は?
    文禄の役で豊臣秀吉の兵糧奉公、岡部治部右衛門が伝えた事からその名前を取って「治部」と名付けたという説や、鍋の中でジブジブと煮込む事からその擬音語が名前になったという説があります。

    薬剤師の食育コメント

    ビタミンやミネラルを含むので免疫力アップや疲労回復、ガン予防、貧血防、目の健康維持、骨や歯の健康維持、便秘解消、精神の安定、美肌効果などが期待できます。また鴨肉は、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウムの栄養素を含んでいます。

    食育大事典の郷土料理

    鶏肉を使った治部煮の作り方

    治部煮の作り方

    郷土料理材料材料|2人前

      【材料】

    • 鶏もも肉・・・120g
    • すだれ麩・・・1枚(10g程度)※なければ車麩など他のお麩でOK
    • しいたけ・・・2個
    • にんじん・・・1/5本(60g程度)
    • 絹さや・・・4枚
    • 塩・・・:少々
    • 片栗粉・・・適量※小麦粉でもOK
    • わさび・・・適量
    • 【出し汁】

    • 水・・・400cc
    • 和風顆粒だし・・・小さじ1/3
    • 酒・・・大さじ1
    • みりん・・・大さじ1
    • 醤油・・・大さじ1
    • 塩・・・少々

    郷土料理調理ステップ調理ステップ

    1. 鶏肉を一口大のそぎ切りにし、塩をふり、片栗粉(小麦粉)を全体にまんべんなくまぶします。
    2. しいたけは軸を切り落とし、かさに十文字の切り込みを入れます。
    3. 7mm幅に切ったにんじんを、大さじ1程度の水を(分量外)入れた耐熱容器にふんわりとラップをし、600Wのレンジで3分加熱してから余分な水気を切っておきます。
    4. 絹さやは筋を取り除いた後、沸騰したお湯に塩を少々(分量外)入れ1分程度茹でておきます。
    5. すだれ麩はたっぷりの水(分量外)で戻して、かたくしぼり水分を取り除き、食べやすい大きさに切っておきます。
    6. 鍋の中にだし汁の材料を全て入れて熱し、ひと煮立ちしたら鶏肉を入れさらに熱して、煮立ったらアクをとり蓋をして弱火で5分煮ます。
    7. すだれ麩、しいたけ、にんじんを入れて再び蓋をして中火で3分加熱します。
    8. 鶏肉に火が通ったら、器に盛り、絹さやを飾り、さらにわさびを添えて完成です。

    ※ 絹さやを小松菜やほうれん草などに変えても美味しくいただけます!
    ※ 肉につけた余分な粉は十分にはたき落としてください。