mus(ムス)大阪

北海道にある直営ファームと契約農家などから届く野菜が料理の主役。「蒸す」というシンプルな調理法で素材の持ち味を引き出しているのが、大阪市北区にある蒸し料理専門店「mus」。ヘルシー志向な女性たちがこぞって訪れる人気のランチ&ディナースポットです。

野菜のシンプルなおいしさをもっと多くの人に伝えていきたいと店をオープン。東京丸の内にも姉妹店の「musmus」があります(画像上)。「旬の野菜のセイロ蒸し」は季節によっては北海道産のジャガイモやトウモロコシが登場することもあるそう。そのまま食べると野菜の味が甘く濃厚(画像下)。

野菜が主役の料理が目白押し

せいろの中でおいしそうな湯気を立てているのは、季節を彩るカラフルな野菜たち。大根、かぼちゃ、にんじんなど、10〜12種類ほどがあふれんばかりに盛り付けられ、目でも楽しませてくれます。

「とれたての野菜のおいしさを伝える一番の調理方法として、蒸すことを選びました。メニューは素材のうまみを最大限に生かすように工夫しています」。そう話すのは、蒸し料理専門店「mus」店長の松尾忍さんです。

同社は以前、北海道のニセコでホテルを経営。自家菜園で作った野菜を宿泊客に出していたところ、大変人気だったため、とれたてのおいしさをもっと多くの人に伝えていきたいとレストランをオープンさせました。現在はニセコの直営ファームを東京ドーム3個分の広さにまで拡大。雪で閉ざされてしまう冬場以外は、豊かな大地で育まれた実りがテーブルを盛り立てるほか、契約農家から直送される野菜も好評です。

セイロ蒸しに並んで人気の蒸し鍋。冬だけでなく夏もオーダーが多く、冷房で冷えきった体を温めてくれます(画像上)。複数の契約農家から届く野菜は、ショーケースの中で出番待ち。野菜は店長もダンボールを開けるまで何が入っているかわからず、楽しみなんだそう(画像下)。

スープまで飲み干してしまう鍋

ディナーメニューで見逃せないのは「蒸し鍋」。来店した半数以上のお客さんがオーダーするという同店の名物です。蒸し鍋の中板の下にはスープが張られており、その蒸気でスチームした特選銘柄豚や旬の魚、但馬地鶏などを野菜と一緒に食べることでヘルシーなのに満足感はたっぷり。鍋を食べ終えた後のシメも人気の秘密です。鍋底に残った素材のエキスがたっぷり滲み出たスープに「ペラペラうどん」を加えていただきます。

「蒸すことで素材の栄養を余すことなく取り入れられるだけでなく、スープにうどんを入れ二度楽しめるのが蒸し鍋の魅力。みなさん最後の1滴までスープを飲み干してしまうので、鍋の中はまるで洗ったように空っぽになってしまうんですよ」と松尾さん。「musの料理を食べた翌日は化粧ノリがいい」と喜ぶ女性のお客さんもいるそうです。

自家製ジンジャエールはショウガやスパイスが入った爽やかなドリンク。甘さ控えめで優しい刺激の大人味(画像上)。大きなビンに漬けられた果実酢。ヘルシーな料理との相性はぴったりで、さっぱりとした味わいが人気です(画像下)。

滋賀県産のブランド豚も味わって

同店では野菜以外の素材にもこだわっています。豚肉は食通をうならせる滋賀県日野町の蔵尾ポークを使用。バームクーヘンを食べて育ったブランド豚で、身が柔らかで脂がジューシーなのが特長です。この豚を特別に加工したプレミアムハムは、musでしか食べられない一品。わざわざ遠方から訪れるファンもいるとか。

また、食事のお供にぴったりなオリジナルドリンクも充実しています。注目したいのは「果実酢サワードリンク」。酢とフルーツなどの果実、氷砂糖を漬け込んだものをソーダで割った一杯です。キウイ、梅、ルビーグレープフルーツなどバラエティ豊かなラインナップ。季節によって味が変わり、ついリピートしてしまいます。きんぴらや五目煮豆といったスタッフの手作りおばんざいや蒸したてホクホクの「せいろごはん」も優しい味わい。みんなでシェアして食べれば、心も満たされそうです。

musのおすすめ

旬の野菜のセイロ蒸し

直営ファームや契約農家などから送られてくる四季の野菜を蒸しあげた料理。どんな野菜が何種類入るかはその日のお楽しみ。

丸ごとトマトと豚のチーズ蒸し

トマトの中をくり抜き甘辛く味付けした豚肉を加え、ダイストマトとチーズをかけて蒸したもの。トマトの中からチーズがとろけ、まろやか。

蔵尾ポーク

美しいピンク色をした蔵尾ポーク。極太のあらびきソーセージやロースハムは、同店でしか食べられない自慢の味。

蒸し鍋

スープまで余すことなく楽しめる看板鍋。蒸気で蒸された野菜はくたっとなり、思った以上の量が食べられます。

DATA:

mus大阪

大阪府大阪市北区豊崎3–10–2 I&F梅田1F

TEL 06-6377-6363

営業時間 11:00〜16:30(L.O 16:00)
     18:00〜22:00(L.O 21:30)

定休日なし

http://www.mus-osaka.jp

mus からのメッセージ

素材のおいしさを楽しんでもらうために、蒸すことにこだわって提供しています。食後の満足感は高くても、ヘルシーなので罪悪感は感じないと思いますよ(笑)。素材の一つ一つにこだわった蒸し料理の数々を、ぜひ味わってください。

【取材レポート】

取材の後、料理をいただきました。「旬の野菜のセイロ蒸し」は、シャキシャキ、ホクホクと食感の違う野菜がたっぷり。蒸すことで味わいが濃くなり、それぞれの香りも高くなります。しっかり噛んで食べるため、お腹も大満足。「丸ごとトマトと豚のチーズ蒸し」は、とろりととろけるチーズとトマトの酸味、豚肉の甘辛さが合わさって、お酒が進みそうな一品。シャキシャキのレタスの食感も楽しく、あっという間に平らげてしまいました。ごちそうさまでした!