アンコウ

「西のふぐ、東のあんこう」と言われるほど、昔から美食家たちを唸らせてきた高級魚「あんこう」。動物界ー脊索動物門ー脊椎動物亜門ー有顎上綱ー魚類ー条鰭綱ー新鰭亜綱ー真骨下綱ー側棘鰭上目ーアンコウ目ーアンコウ亜目ーアンコウ科ーアンコウ属に分類されている深海魚です。アンコウ科の仲間は、約300種類と言わており、「キアンコウ」「シモフリハナアンコウ」「ノドグロヒメアンコウ」などがいます。日本で食用として市場に出回っているのは「アンコウ(くつあんこう)」と「キアンコウ(ほんあんこう)」の2種類です。

アンコウの生態は、太平洋北西部沿岸及び日本海から東シナ海、黄海の沿岸などに分布しており、日本では北海道から九州にかけての日本海側・太平洋側ともに広く水揚げされています。山口県の下関漁港、島根県の浜田漁港、青森県の八戸漁港などの漁獲量が多いです。

アンコウの寿命は長く10年程と言われており、オスよりメスの方が寿命が長く続きます。オスの体長は大きくて10〜20cm程度、メスの体長は1〜2m、重さは60kg近くまで成長します。基本的にメスが食用です。アンコウは真夏を除き通年で水揚げされますが、肝が成長する頃が旬というならば、11月後半から2月になります。

アンコウは頭部と骨以外は全て食べられます。食べられる部分のことを「アンコウの7つ道具」と呼び、身(柳身)・肝臓・胃袋・卵巣(ヌノ)・エラ・ヒレ(トモ)・皮を指します。アンコウ鍋を始め、あん肝、唐揚げ、共酢・共和え、どぶ汁、ソテーなど、多彩な食べ方ができる、美味しい冬の味覚です。

アンコウの栄養成分


・ナイアシン
アンコウの身は脂肪が少なく低カロリーですが、ナイアシンが含まれています。ナイアシンは、水溶性ビタミンビタミンB群のの一種で「ビタミンB3」とも呼ばれています。血液循環を良くし、代謝をスムーズに促す役割があり、脳神経を正常に働かせ、皮膚や粘膜の健康維持、体内で起こる様々な酵素に反応して体の機能を正常に働らかせるという役割を果たします。

・ビタミン類
アンコウの身に含まれるビタミン12は、脳の発育を助け、葉酸と一緒の摂取でたんぱく質の代謝や核酸合成に関与します。アンコウの肝には、ビタミンAやEが含まれ、皮膚や粘膜の健康維持や骨の形成、肝臓機能の正常化を促します。

・DHA・EPA
アンコウの肝に多く含まれます。高脂血症や高血圧の予防、脳神経を正常に働かせます。また中性脂肪を低下させ、動脈硬化や高脂血症を予防し、悪玉コレステロールを減らす役割があります。

・コラーゲン
アンコウの皮やヒレに含まれます。コラーゲンは、肌にハリと弾力を与え、関節痛の緩和や骨を形成、血管をしなやかに保つ働きがあります。

アンコウの選び方・保存方法


・選び方
体表に艶がありヌメリが透明なもの、また体に張りがあるものが新鮮。切り身で購入する場合は、身に透明感があるピンクがかったものが新鮮です。鮮度が落ちてくると、透明感がなくなり白っぽくなってきます。

・保存方法
切り身は冷蔵でも冷凍でも保存が可能です。冷水で洗ってからキッチンペーパーなどで水気を良く拭き取り、ラップに包んでからジップ付きの保存袋に入れて冷蔵・冷凍してください。冷蔵は1日、冷凍は10日程度保存ができます。

アンコウのみそチーズ鍋
(味噌とチーズのおいしい組み合わせでお鍋をどうぞ)


アンコウのみそチーズ鍋

材料|4人分(塩分量4.3g)

  • アンコウ・・・・1パック(鍋用ぶつ切り約300g程度)
  • タマネギ・・・・1個
  • 絹ごし豆腐・・・・1丁
  • 白菜・・・・280g
  • 糸コンニャク・・・・140g
  • 春菊・・・・70g
  • シイタケ・・・・4個
  • 白ネギ・・・・1/2本
  • ニンジン・・・・1/2本
  • だし汁・・・・7カップ
  • クリームチーズ・・・・100g
  • 白みそ・・・・150g
  • 田舎みそ・・・・50g

アンコウのみそチーズ鍋|作り方

  1. 絹ごし豆腐、白菜、糸コンニャク、春菊を食べやすい大きさに切る。アンコウも大きければ食べやすい大きさに切っておく。
  2. 白ネギは斜め切り、ニンジンは輪切りか飾り切りにする。シイタケは半分に切る。
  3. タマネギは8等分のくし型切りにする。鍋にだし汁を沸かし、タマネギ入れ、柔らかくなるまで煮る。
  4. アンコウのみそチーズ鍋
  5. クリームチーズ、白みそ、田舎みそを合わせて練ったものを、(3)だし汁に加えて溶かしこみ、(1)(2)の材料を加えて煮こむ。煮えたものからいただきます。

※材料は他にもエノキダケなどのキノコ類、里芋や海老芋など、お好みの野菜を入れてもおいしいくいただけます。