野沢菜漬(長野県)
そのままはもちろん、長野県の郷土料理「おやき」や、おにぎり、お茶漬け、パスタやチャーハンなどの具材として使うととても美味しい「野沢菜漬」。冬になると厳しい寒さになる長野県内は、野菜の保存食として、大量の漬物を漬け込み、栄養源としてきました。その一つが「野沢菜漬」で、「すんき漬け」と共に、長野県の二大漬物として親しまれています。
野沢菜漬の歴史
宝暦6年頃に長野県野沢温泉村の住職が、京都から「天王寺かぶ」を持ち帰り、長野県で植えたのが始まりと言われています。ですが京都とは気候が異なり、標高600m近くもある高冷地の気候により、葉の部分と茎だけが成長したものが変異して収穫された「野沢菜」を漬け込んだ漬物が長野県に広まっていきました。
野沢菜漬の豆知識
- 野沢菜の漬け方
野沢菜漬には、仕込んでから数週間〜1ヶ月頃に食べる浅漬けと、半年位に漬け込んだ古漬けとがあります。 - 古漬けの食べ方は?
発酵が進み黄色く色づいた酸味が強くなった野沢菜は、油との相性が良いので、炒め物にしても美味しいです。
薬剤師の食育コメント
野沢菜漬には、糖質の代謝を助けエネルギーを作り出し疲労回復に役立つビタミンB1や、細胞の新陳代謝を促進して皮ふや粘膜の機能維持や成長に役立つビタミンB2、皮膚や粘膜の健康維持をサポートし脳神経を正常に働かせるのに役立つナイアシン、動脈硬化を予防してストレスをやわらげる働きのあるパントテン酸そして貧血を予防し細胞の生まれ変わりと新しい赤血球をつくり出すために欠かせないビタミンである葉酸を含む食材です。さらに抗酸化ビタミンであるビタミンC、ビタミンEを含むので活性酸素の発生や酸化力を抑えて動脈硬化や、皮膚と血管の老化を防いで免疫力を高めます。骨や歯を構成するのに必要なミネラルであるカルシウムやリン、マグネシウムなども含みます。さらにカリウムも多く含まれるので疲労回復や利尿作用、高血圧の予防に役立ちます。
カンタン野沢菜漬の作り方
材料|2人前
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【材料】
- 野沢菜・・・250g
- 醤油・・・大さじ3
- 砂糖・・・大さじ2
- 酢・・・大さじ1
- 鷹の爪・・・お好みで
調理ステップ
- 野沢菜を洗い、水分を良く取ります。
- 鷹の爪以外の調味料類を鍋に入れ、軽く煮立たせます。
- 熱さに耐えられるポリ袋に野沢菜と調味料(少し冷ましてから)、鷹の爪を入れて漬け込みます。
- 一日漬け込めば美味しく食べられます。2〜3日置くと味が馴染みさらに美味しくなります。