動物は死後、筋肉が硬直を起こしてひき締まる、死後硬直という現象が起こります。その後時間が経つにつれ、細胞に含まれている酵素の働きにより、締まっていた筋肉がほぐれて肉質が軟らかくなっていきます。
食肉の場合、死後硬直が解けておいしく食べられるまで保存しておくことを、熟成といいます。熟成を経ることで、保水性が高まって柔らかくなると同時に、酵素がたんぱく質を分解することにより旨味成分が増すので、ジューシーで風味豊かな肉質になります。
市販される肉の場合は主に、牛肉では20日前後、豚肉は10日前後、鶏肉は12時間前後の熟成期間を経たものが商品として出回ります。つまり、食べ頃の状態で販売されるので、購入後は速やかに調理し、いただくのがよいでしょう。
例外としてラム肉などは、鮮度の良い方がおいしいので、熟成期間をとることは無いようです。