ナシは主に、西洋系のナシ(西洋ナシ)と東洋系のナシ(中国ナシ、日本ナシ)に大別されます。同じバラ科の植物ですが、その見た目も味わいも違いがあります。
セイヨウナシは、ひょうたんのような円錐型、卵型といった独特の形をしています。丸い形の日本ナシは、日本の果物の中でも古くから栽培されてきたもので、青ナシ(二十世紀など)と赤ナシ(幸水など)に分けられます。
ナシ独特のシャリシャリとした歯ざわりとざらつきは、石細胞が多く含まれるためで、サンドペア(砂のような梨)とも呼ばれるそうです。
日本ナシは樹上で完熟させ、収穫後すぐに食べられるのに対し、セイヨウナシは収穫してから、香りが増し果肉が軟らかくなるまで、追熟させる必要があります。ざらつきがなくねっとりとしたやわらかさとバターのような滑らかさがあるので、バターペアとも呼ばれます。
日本に西洋ナシが導入されたのは明治の頃と言われますが、最近まであまり注目されなかったのは、食文化の違いと、食べ頃を見極めるのが難しかったなどの理由があるのでしょう。