きんとん(金団)といえば、どういったものを思い浮かべますか?おせち料理に付き物のきんとんは、甘く煮たサツマイモやインゲンマメ、栗などををなめらかに裏ごした、ペースト状のもので、クチナシで黄色く色づけたり、仕上げにクリの甘露煮を混ぜ込むなどしています。
求肥や練り切り、餡などを丸めたものを芯にして、周りにそぼろ状の練り切りや餡を植えつけたきんとんは、季節に応じて色合いを変える、華やかな上生菓子でもあります。また、加熱したクリをつぶして甘味をつけ、さらしで一口大の茶巾絞りでまとめた栗きんとんもあり、一言で「きんとん」といっても、その内容は様々です。
元々のきんとんは、中国から伝わった、団子状の菓子の一つだったとか。橘飩、金飩、金団などの字をあてられています。”金”は黄色、黄金、”団”は、集まり、塊などを意味し、黄に染まったかたまりは、金運、財を成すものに見立てられたことから、正月など祝いの席には欠かせないものとなり、現在のような形に落ち着いたのは、明治時代以降のことのようです。