寒天の材料は、テングサなどの海藻です。海で取れる材料なのに、その産地は海より遠く離れた場所がほとんどです。それは、寒天を作るために必要な環境が大きくかかわっています。
寒天作りに向いているのは、雪や雨が少なく乾燥しやすい、昼夜の気温差が激しい場所。海沿いよりも山間部、盆地に多い気候です。
寒天は、材料の海藻を煮出してところてんを作り、外気にさらして凍結乾燥させます。夜に凍りついた水分が、昼に溶け出し蒸発することを繰り返して作られます。つまり寒天は、昔ながらのフリーズドライ食品。現在では工場生産で年中作られますが、稲を刈り終えた後の土地を有効活用出来る、冬場の産業でもあったのでしょう。