タジンとは、北アフリカの料理名であると同時に、使われている調理器具のことで、陶製の鍋に円すい形の蓋という独特の形をしています。
モロッコからフランスへと渡ったことで、モロッコ料理以外にもさまざまなレシピが提案され、フランスの調理器具メーカーでもタジンが作られるまでに定着しています。
そしてヘルシーな蒸し物料理のブームにともない、日本でも急速に広まりました。
基本的な使い方は、肉と野菜、香辛料などの材料を鍋に入れ、蓋をして火にかけます。タジンの一番の特徴は、無水調理ができることです。独特の形の蓋により、蒸気が水滴となって鍋に戻り、蒸し煮する状態となることで、材料の水分だけで調理できてしまうのだそうです。
かさのある野菜も小さくなり、材料から出た水分がスープとなります。タジンは、水が貴重な砂漠のある地域ならではの調理器具であり、調理法なのでしょう。