プリンや茶碗蒸しなど、卵を使った蒸し物料理は、卵のたんぱく質が熱によって固まる性質を利用して作られます。
「す」が立つというのは、均一な中に出来る隙間のこと。これは、卵のたんぱく質が60度ほどで固まりはじめるのに、100度で沸騰する水との温度差があることで生じます。
卵とだし汁などの水分が混ざった生地を、高温で急激に熱すると、卵はすぐに固まり、時間差で、中に含まれる水分は沸騰して水蒸気となるものの、固まった卵の中で行き場を失い、それが隙間(す)となってしまいます。
す立ちをふせぐ一番のポイントは、温度調節です。鍋底に布巾を敷いたり、蓋をずらすなど、火のあたりをやわらかくすることで、急激な加熱を防ぎます。また、卵を溶きほぐす、材料を混ぜ合わせる、容器に流し入れる時など、出来るだけ空気を入れ込まないようにすることも、大切です。さらに加熱の前に、表面に浮いている泡をつぶしたり、すくい取ることで、見た目にも滑らかな仕上がりになります。