冬の楽しみのひとつともいえるおでんは、ダシや味付け、具の違い、薬味やつけダレのあるなしなど、全国各地で様々な味わいがありますね。
おでんは元々、田楽から派生したものといわれています。田楽の発祥にも諸説ありますが、田植えの際に行われた、田楽の舞いを見立てたものという一説があります。豆腐を串に刺し、焼いてミソを付けた、豆腐の味噌田楽がその由来で、それから魚やコンニャク、イモ類を使ったもの、焼かずにゆでて味噌を付けるなど、様々な田楽が生まれます。
そして、しょう油味で煮込んだ、煮込み田楽も作られるようになり、それが現在のおでんにつながるともいわれます。
田楽からおでんと呼ばれるようにになったのは、田楽に「お」を付けた「お田楽」が縮まった、といった説があります。また、関西の「関東煮(かんとだき)」のいわれも、おでんが関西に伝わった際に、焼き田楽と区別するためだったなど、こちらも諸説あるんだとか。一口におでんといっても、全国に広まり現在に至るまでに、複雑な変遷があるようです。